スーパーマーケットで気軽に買える惣菜。近年では調理技術が格段にアップし、専門店をも凌駕するほどの味を出すところも増えてきましたが、そんな中で特に人気なのが「焼鳥」です。
お酒のおつまみ&ご飯のおかずの一品にと、誰でも大好きな「焼鳥」ですが、シンプルな調理法である一方、家庭ではなかなか作れないもの。そして、精肉店、専門店、居酒屋でなければ買えないものでもあり、スーパーマーケットで気軽に買うことができるのは嬉しいものです。
今回は『サミット』、『オリンピック』、『西友』、『東急ストア』、『京王ストア』の「焼鳥」をそれぞれ食べ比べ。各スーパーの「焼鳥」の特徴に迫ります。
『サミット』の「焼鳥」は桜姫鶏を丁寧に焼き濃厚ダレにまとわせたハイレベルの一品
まずは『サミット』の「焼鳥」からいただきましょう。
『サミット』は一部リニューアル店舗の惣菜コーナーを拡張するなど、とにかく惣菜に対する情熱が強く、そしてハイレベルの味を提供してくれることで知られています。
そんな『サミット』の惣菜コーナーには複数の名物メニューがありますが、そのうちのひとつが「焼鳥」です。
桜姫鶏を使用し、厨房で丁寧に焼き上げたもので「専門店以上の味」と食通をも唸らせることで知られているそうです。
さっそくいただいましたが、「もも」「つくね」双方とも焼きムラなどがいっさいなく、そしてふっくらと焼き上がっています。このことから推測できるのは、相当丁寧に焼き上げられた「焼鳥」であるということ。まさにスーパーの優等生的存在の『サミット』ならではの一品です。
他方、そのタレはかなり濃厚で、濃い味が苦手な人にとっては少々塩っぱく感じるかもしれません。塩味強め好きの筆者はまさにドンピシャなのですが、この点に賛否が分かれるかもしれません。
また、高級食材と丁寧な仕事の影響か、1本あたり120〜130円前後とやや高額でもあります。これだけの美味しさなので筆者は十分納得できますが、安さを追い求めてる人にとっては、やや評価が下がるところかもしれません。
『オリンピック』の「焼鳥」はガツンとした味わいを楽しみたい人に
続いて『オリンピック』の「焼鳥」をいただきましょう。
パッケージには「3種醤油のこだわり濃厚ダレ」と記載されており、濃厚な味を期待させてくれます。今回いただく「盛合わせ」は、「ねぎま(2本)」「鶏皮」「もも(2本)」という構成です。
「ねぎま」は中国製造ということですが、その他の「鶏皮」「もも」の産地がわかりません。しかし、『サミット』のふんわりとした仕上がりに比べると、やや硬めに焼き上がっています。
また、塩味も『サミット』より強めで、よりジャンキーな風合いを望む人には『オリンピック』の「焼鳥」もおおいに受け入れられるように思いました。
1本あたりの値付けは『サミット』同様の、130円前後。中国製造が必ず悪いとは言わないものの、正直もう10〜20円安いと手を出しやすいのではないかとも思いました。
『西友』の「焼鳥」は一本あたり94円前後のコスパにして、なかなかのクオリティ
続いては『西友』の「焼鳥」をいただきます。
8本セットになったもので、「ねぎま」「もも」がドサっと入っています。こちらも『オリンピック』同様「3種の醤油使用」とあり、どことなく『オリンピック』の「焼鳥」と似たような串が刺さっています。
もしかしてOEMなのか?とも思いましたが、実際に食べて確認してみましょう。
食べてみると、質感・タレの塩味とも『オリンピック』の「焼鳥」と実によく似ており、やはりかなりジャンキーな印象の味わいです。
おつまみにすれば、グングンお酒が進むでしょうし、ご飯のおかずの一品としてなら、ご飯がバクバク進むような味わい。パンチ強めの味わいに、賛否はありましょうが、筆者的には十分美味しくいただけました。
そして、この「焼鳥」の素晴らしいところは、1本あたり94円という値付けです。仮に『オリンピック』と全く同じOEM商品だとしたら、1本あたり20〜30円ほど『西友』のほうが安いということになります。
実際はわかりませんが、味の傾向はほぼ同じですので、ここはやっぱり『西友』のほうに軍盃が上がると言って良いでしょう。
『東急ストア』の「焼鳥」はプリッと肉厚で独自の路線をゆく
続いて『東急ストア』の「焼鳥」をいただきます。
こちらは「九州産鶏肉使用」と「たまり醤油のコクと風味をきかせた特製タレ」を売りにしており、『サミット』『オリンピック』『西友』とはまた違う路線を打ち出しているように思いました。
5本入った盛り合わせですが、内容は「もも」「ねぎま」「皮」「レバー」「つくね」とそれぞれバラバラの構成も嬉しいです。
ここまでの4ブランドの中で最もあっさりした味わいで、奥ゆかしい印象を受けました。
仮に、その鶏肉の品質が低い場合、濃厚ダレで臭みなどを消すことができましょうが、薄味となればそういうわけにいきません。『東急ストア』があえて薄味に設定しているのは、謳われている「九州産鶏肉」の品質が優れており、その風合いを生活者に感じ取ってほしいからのようにも思いました。
また、焼き加減は『オリンピック』『西友』と真逆のふっくらプリプリの仕上がりで、ここも好印象。1本あたり129円という値付けですが、この価格でも十分納得できる味わいです。
『京王ストア』の「焼鳥」はコスパは劣るも鶏肉の風合いが美味
そして、最後に『京王ストア』の「焼鳥」をいただきます。
食べるのは3本パックの盛り合わせですが、計算すると1本あたり140円と、5スーパーの中で最も割高です。しかし、その割高感を覆すほどの美味しさがあれば問題はないと思います。果たしてどんな味わいを楽しませてくれるのでしょうか。
『オリンピック』『西友』よりも鶏肉の風合いが際立っており、またタレの塩味もそこまで強くない点はより万人受けする「焼鳥」のように思いました。
ただし、1本140円は相対的に割高で、もし、近くに別のスーパーがあるのなら、そっちの「焼鳥」を買うであろう、というのが正直な感想でもありました。仮にもう10〜20円安ければ、十分満足できるはずなので、この辺は『京王ストア』にもう少しがんばってもらいたいところでもあります。
味わいは『サミット』がダントツ!
ここまで『サミット』、『オリンピック』、『西友』、『東急ストア』、『京王ストア』各社の「焼鳥」を食べ比べましたが、ダントツで美味しかったのは『サミット』でした。
タレの濃厚さに賛否が分かれるかもしれませんが、鶏肉の風味、丁寧な焼き加減はスーパー界屈指であり、さすが『サミット』と言わざるを得ない出来栄えでした。
他方、独自路線の『東急ストア』の「焼鳥」もなかなか素晴らしく、鶏肉の風味を強く感じたい人には特にオススメできる一品でした。
また、どこか似た印象を覚えた『オリンピック』、『西友』、『京王ストア』の「焼鳥」ですが、これらの中なら『西友』のコスパの良さを評価したいと思いました。
さて、あなたはどのスーパーの「焼鳥」が気になりましたでしょうか。ぜひあなた好みの一品を見つけて、食べてみてくださいね。
(うまい肉/ 松田 義人(deco))