【動画】タイトルを決定づけたクラッシュ/連鎖するタイヤトラブル/1年ぶりの勝利etc. 2023年WRC振り返り

 TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が2度目のタイトルを獲得した2023年シーズンのWRC世界ラリー選手権。パートタイム参戦でありながら一時はランキング首位にも立ったセバスチャン・オジエ(TGR-WRT)や、クレイグ・ブリーン(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)の急逝など、数々のドラマと波乱に溢れた2023年シーズンを振り返る動画がWRC公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@wrc)で公開されている。

“Top 10 Moments”と題されたこの動画は、WRCが各ラウンドの終了後に投稿しているおなじみの動画“Top 5 Moments”の拡大版とも言えるもの。今回は2023年シーズン全体のなかから、特に印象的なシーン10個が選ばれた。その内容を紹介していこう。

 動画の前半には大胆なスライドでコーナーを駆け抜けたヒョンデのテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)や、ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が第8戦エストニアで見せた圧勝、第11戦チリでトヨタ勢を襲ったタイヤトラブルなどが選出された。

 後半の6番目には、シーズン終盤第12戦セントラル・ヨーロッパで、エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がクラッシュを喫したシーンがランクイン。このクラッシュによってエバンスのタイトル獲得の可能性は僅かなものとなり、これを知って安定指向のドライビングに切り替えたロバンペラがタイトルを獲得することとなった。

 続いて選ばれたのは第2戦スウェーデンにおいて、古巣Mスポーツ・フォードWRTに勝利をもたらしたオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)の活躍だ。この優勝はタナクにとってMスポーツ移籍後の初優勝であっただけでなく、チームにとっても2022年の開幕戦モンテカルロ以来1年ぶりとなる勝利だった。

 8つめのトピックはそのひとつ前のラウンド、開幕戦で達成されたセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)によるラリー・モンテカルロ最多9勝目のレコード更新。9番めには第2戦スウェーデンでブリーン(ヒョンデi20 Nラリー1)が見せた好走が選出された。この第2戦から2023年シーズンに臨んだブリーンはタナクとの優勝争いを繰り広げる活躍を見せ、ハイブリッドシステムのトラブルを抱えながらも2位フィニッシュを果たしてチームに貢献した。そしてこれが彼の最後の勇姿となってしまった。

 最後を締めくくるのはもちろん、ロバンペラが自身2度目のタイトルを獲得した瞬間だ。2022年にわずか22歳で史上最年少チャンピオンに輝いたロバンペラは、他を圧倒するスピードと安定したドライビングを巧みに使い分け、最終戦ラリージャパンを前に2年連続となるドライバーズタイトルを獲得。WRC史上6人目となる連覇達成ドライバーの仲間入りを果たした。

■Top 10 Moments of the 2023 WRC Season

https://youtu.be/0rHb5CAho4c?si=OO2lXcVgrO0JYmJR

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