「甘煮」食べ、良い年“コイ” 置賜の伝統料理、米沢で作業盛ん

年末が迫り、最盛期を迎えている「鯉の甘煮」作り=米沢市・米沢鯉六十里

 年末が迫り、置賜地域の伝統料理「鯉(こい)の甘煮(うまに)」作りが米沢市で盛んに行われている。市内の養殖加工業者の調理場では従業員が作業に追われている。

 地域に根付くコイの食文化は、米沢藩9代藩主上杉鷹山が冬場の栄養源を確保するため、養殖を奨励したのが始まりとされる。「米沢鯉六十里」(米沢市、岩倉利憲社長)では、ぶつ切りにしたコイをたれ、日本酒、砂糖などで煮て味をつける。煮上がった切り身は艶やかなあめ色をまとい、甘さを感じさせる独特の香ばしさが食欲をそそる。

 岩倉社長は「良い年“コイ”との願いを込めて作っている。多くの人に味わってもらい、来年も元気に過ごしてほしい」と話した。

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