石舞台古墳発掘に電車の前照灯 橿原考研博物館、鉄道と考古学

「デボ1形」の前照灯=26日、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館

 鉄道と考古学の関わりを探る特別陳列が、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(同県橿原市)で開催中だ。1930年代に行われた石舞台古墳(奈良県明日香村)の調査で使われたとみられる電車の前照灯や駅整備の調査で出土した近代の遺物を展示している。

 石舞台古墳では暗い石室内を照らすために大阪電気軌道(現近畿日本鉄道)から借りた前照灯が使用された。特別陳列に際して過去の写真を比較し、「デボ1形」のものとみられることが判明。取り外しやすいように車両正面の窓の下に取り付けられていた。

 同時期の唐古・鍵遺跡(同県田原本町)の調査では、排土を運ぶために現場にトロッコの線路が敷かれたという。

奈良県立橿原考古学研究所付属博物館で開かれている、鉄道と考古学の関わりを探る特別陳列=26日、奈良県橿原市

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