GDO編集部が選ぶ2023年の10大ニュース<国内女子編>

2023年の国内女子ニュースを振り返る

2023年にGDOが配信した全ての記事の中から、編集部が独自に10大ニュースを選出。全5回にわたり、ことしのゴルフ界を彩ったホットな話題を振り返る。第2回は国内女子編。

10位:渋野日向子が「サントリーレディス」初出場 テンフィンガーグリップも披露

ホステス渋野日向子が大会初出場。テンフィンガーグリップも披露した(撮影/和田慎太郎)

6月「サントリーレディス」を主催するサントリーと所属契約を結ぶ渋野日向子が同大会に初出場。初日24位で滑り出したが、2日目に「75」をたたき予選落ちに終わった。

左手の痛みを軽減するため父に勧められた、野球のバットのように握るテンフィンガーグリップを披露したことも話題となった。

9位:山内日菜子が地元・宮崎で初優勝 QT181位からの“下克上V”

山内日菜子がQTランク181位から“史上最大の下克上V”を果たした(撮影/村上航)

宮崎が舞台の3月「アクサレディス」では、地元出身の山内日菜子が1打差2位で迎えた最終日に「70」でプレー。逆転でツアー初優勝を挙げた。

2022年11月のファーストQT(1次予選会)ではクラブ本数の超過に気づかず8罰打を受け、1打差で最終QT進出を逃した。23年シーズンはQTランク181位と下部ステップアップツアーへの出場も絶望的だったが、主催者推薦で得たチャンスをものにして“史上最大の下克上V”を果たした。

8位:神谷そらが国内メジャー初優勝&史上6人目の初出場V

20歳の神谷そらが女子プロゴルファー日本一に輝いた(撮影/中野義昌)

長崎で行われた9月の「日本女子プロ選手権」では、20歳のルーキー神谷そらが2打差3位で出た最終日に「68」でプレー。小祝さくら、西郷真央らに競り勝ち国内メジャー初優勝を挙げた。4月「フジサンケイレディス」に続くツアー2勝目で、同大会での初出場Vは昨年の川崎春花に続く史上6人目となった。

7位:西郷真央が“スランプ”乗り越え1年半ぶりの復活V

西郷真央がスランプを乗り越えて1年半ぶりの復活Vを遂げた(撮影/奥田泰也)

11月「伊藤園レディス」では、2打差の首位で最終日に臨んだ西郷が「68」で逃げ切り、22年5月「ブリヂストンレディス」以来となるツアー6勝目を地元の千葉で挙げた。

22年のシーズン最終戦「ツアー選手権リコーカップ」では4日間で通算35オーバー最下位とスランプに陥り、一時期はどん底を経験した西郷がカムバックVを果たした。

6位:申ジエが節目の国内30勝に到達

申ジエが節目の国内30勝に到達した(撮影/大澤進二)

6月「アース・モンダミンカップ」では、申ジエ(韓国)が1打差4位で出た最終日に「68」をマークし、岩井明愛をプレーオフ1ホール目で退けて勝利。節目の国内30勝目を、5月に95歳で亡くなった祖母キム・ギリムさんに捧げた。

日本ツアーメンバー登録前に挙げた初優勝(2008年「ヨコハマタイヤ PRGRレディス」)と、米女子ツアーメンバーの資格で出場した2010年「ミズノクラシック」の優勝はツアーの規定により通算勝利数に含まれないため、30勝が条件の永久シード獲得まであと2勝が必要となる。

5位:岩井ツインズがツアー初の姉妹でプレーオフ

岩井ツインズ、山下美夢有の三つ巴プレーオフが大会を盛り上げた(撮影/高藪望)

5月「RKB×三井松島レディス」では、54ホールを首位タイで終えた双子の姉・岩井明愛と妹・岩井千怜、山下美夢有が三つ巴のプレーオフを戦った。姉妹そろってプレーオフに進出したのはツアー史上初だった。

18番(パー5)を使用したプレーオフ2ホール目では、第2打で姉妹そろって“直ドラ”を披露。バーディを奪取した岩井千が勝利をつかんだ。

4位:櫻井心那が史上3人目の10代4勝

櫻井心那が史上3人目の10代4勝を挙げた(撮影/奥田泰也)

雨によるコースコンディション不良のため、最終ラウンドが中止となった10月の「富士通レディース」。36ホール終了時点で単独首位に立っていた櫻井心那がシーズン4勝目を挙げた。10代でのツアー4勝は、宮里藍さん、畑岡奈紗に続く史上3人目の快挙となった。

3位:イ・ボミが日本ツアー引退

イ・ボミが惜しまれながら日本ツアーを引退した(撮影/高藪望)

2015、16年と2年連続で賞金女王に輝いたイ・ボミ(韓国)が10月「マスターズGCレディース」を最後に日本ツアーを引退した。日本ツアー初出場となった11年の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」から通算289試合、862ラウンド、優勝21回、トップ10入り110回、予選落ち54回、棄権4回、生涯獲得賞金は歴代11位の8億6632万2664円だった。

2日目のホールアウト後には50人以上の女子プロが参加したサプライズセレモニーが行われるなど、多くの仲間とファンに見守られながら“スマイル・キャンディ”が花道を飾った。

2位:原英莉花が手術乗り越え2年ぶりV&国内メジャー3勝目

原英莉花が手術を乗り越えツアー5勝目&国内メジャー3勝目を挙げた(撮影/村上航)

女子ゴルファー日本一を決める10月の「日本女子オープン」で、原英莉花が単独首位で迎えた最終日に「68」でプレー。菊地絵理香らの追撃を振り切り、およそ2年ぶりのツアー5勝目&20年以来の大会2勝目を挙げた。24歳228日での国内メジャー3勝は、畑岡、諸見里しのぶ、樋口久子に次ぐ史上4番目の年少記録となった。

長年苦しんだ腰痛のため5月にヘルニアの摘出手術を受け、8月の「北海道meijiカップ」で復帰。「練習も、やりたい動きもできなかった」という時期を乗り越えて頂点に立ち、喜びをかみ締めた。

1位:山下美夢有が最終戦連覇&2年連続年間女王

山下美夢有が最終戦連覇を達成し、2年連続で年間女王に輝いた(撮影/村上航)

今季のツアー優勝者に加え、世界ランキング上位者、メルセデスランキング(MR)上位者の40人が出場したシーズン最終戦の「ツアー選手権リコーカップ」で、MR1位の山下が後続に3打差をつけて連覇を達成。ポイントレースでもMR2位の申、同3位の岩井明らに競り勝ち、2年連続で年間女王に輝いた。

2年連続の年間(賞金)女王戴冠は2015、16年のイ・ボミ以来8人目で、最終戦の連覇は07、08年の古閑美保以来4人目。また、2年連続年間5勝は88年のツアー制施行後では不動裕理、宮里藍さん、イ・ボミに次ぐ4人目となった。

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