中国侵略「言い訳できぬ」 厳粛な事実と外交文書

外務省

 20日に機密指定解除された1992年分の外交文書には、過去の日中戦争について「中国を侵略し、中国国民に筆舌に尽くし難い苦しみを与えた」と表現したものがあった。「天皇・皇后両陛下のご訪中について」と題する外務省の内部文書で、中国侵略を「いかなる言い訳も許されない厳粛な事実」と位置付け、反省の意をにじませている。

 外務省アジア局中国課長が書き下ろしたとみられる内部文書は、翌92年に控えた天皇訪中をにらみ「(中国侵略は)二度とあってはならないというのが、わが国国民の決意だ」と言明した。

 一方で、天皇訪中を歴史問題だけに結び付けるのは双方の利益にならないと指摘している。

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