リニア中央新幹線 品川~名古屋間 開業に必要な全工事を国が認可 一方で静岡工区は現在も着工の目途たたず

リニア中央新幹線、品川~名古屋間について、国はJR東海が申請していた駅の設備に関する工事申請を28日に認可しました。

これで開業に必要な認可は、全てそろったことになります。

建設が進むリニア中央新幹線、品川~名古屋間の工事ではJR東海はこれまで用地や電力設備など段階的に国交省に申請していて、12月14日には、駅や車両基地の建築に関する申請を行っていました。

JR東海は28日に、この申請について国から認可を受けたと発表。

これで開業に必要な認可は全て揃ったことになりますが、屈指の難工事とされる南アルプストンネルの静岡工区では、川勝平太知事が環境への影響を理由に反対の姿勢を貫いていて、着工の目途は立っていません。

これを受けてJR東海は、申請書で工事の完了予定をこれまでの「2027年」から「2027年以降」と変更していて、具体的な開業時期は工期の見通しが立った際に改めて国に変更を申請するとしています。

【南アルプストンネルとは】
品川~名古屋間全長286キロのうち、山梨、静岡、長野にまたがるのが総延長25キロの南アルプストンネル。

このうち、山梨側の工事は2015年12月に着工。長野側は2016年11月に着工しました。

一方、間に位置する静岡工区は、今も着工の目途は立っていません。

2023年12月時点で、品川~名古屋間の未着工は静岡工区だけです。

静岡工区は全長286キロのうち8.9キロですが、標高3000メートル級の南アルプスを貫くこのトンネルは、地表からトンネルまでの深さ(土かぶり)が過去のトンネル工事では類を見ない最大1400メートルに達し、屈指の難工事が予想されることから、今後速やかに工事が行われたとしても2027年の開業は絶望的となっています。

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