119万円の着服認定、団員を懲戒免職 茨城・土浦消防団分団不明金 24年1月、全分団で監査実施

土浦市消防団の使途不明金問題で処分を発表し謝罪する川崎隆義団長(中央)ら=同市田中町

茨城県土浦市消防団(川崎隆義団長)の第14分団で使途不明金が判明した問題で、市消防団は28日、会計担当の分団員、男性(36)を懲戒免職処分にした。市消防本部との合同調査で、使途不明金は少なくとも119万円だったことも判明。今後は分団任せだった会計処理を見直し、2024年1月にも市内全38分団の監査を実施する。

市消防団によると、男性は2017年4月から23年9月までの約6年半にわたり、住民から集めた「協力金」など約987万円のうち約116万円を、ガソリン代やたばこ代など生活費に私的流用。備品購入費などを実際より多く計上し、12件で計3万円の水増し行為もあった。

男性は市消防団などの聞き取りに「口座の金を出し入れするのが面倒で、手元に置いて後で返せばいいと思っていた。分団と自分の財布が一緒になってしまった」と語り、着服を認めているという。

実際の着服額は、分団による当初調査を受けて男性側が弁済した約283万円の半額以下だった。このため、市消防団は弁済額を見直して適切に対応するよう分団側に要請した。市消防団は男性の刑事告発を見送る方針。

川崎団長は同日の会見で「市民の信頼を失い、大変申し訳ない」と謝罪した。

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