白山比咩神社、方位盤を山頂から境内移設 雷で破損、歴史や自然物語る

境内に設置された方位盤=白山比咩神社

 白山市の白山比咩神社は境内に、かつて白山山頂に設置されていた方位盤を移設した。方位盤は16年前に雷によって破損し、工務店の倉庫に保管されていた。白山信仰や自然の厳しさを物語る品として、参拝者に公開する。

 方位盤は1937(昭和12)年に、中部電力の前身となる矢作水力が奉納した。重さは約1トンで、銅でできた盤面には松任や東京、富士山など、各地の都市や山がある方向が書かれている。2007(平成19)年まで70年にわたって置かれ、天皇陛下が1980(昭和55)年に白山登拝をした際、方角の確認に使用された。

 白山手取川ジオパークがユネスコ世界ジオパークに認定され、より白山について知ってもらいたいと、境内の白山奥宮遥拝(ようはい)所そばに設置した。

 白山比咩神社では節分の2月3日までを初詣期間としており、田中天善権禰宜(ごんねぎ)は「ゆっくりと参拝に来ていただき、境内を散策しながら歴史や自然を感じてほしい」と話した。

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