●火牛の化粧まわし「かっこいい」
大相撲初場所(来年1月14日初日・両国国技館)で新入幕を果たした大の里(23)=二所ノ関部屋=が28日、ふるさと津幡に凱(がい)旋(せん)した。津幡町福祉センターで開かれた後援会の設立総会には、スピード昇進を決めた地元のスターを一目見ようと約300人が駆け付けて祝福。倶利伽羅峠の戦いをモチーフにした津幡ゆかりの新たな化粧まわしも贈られ、大の里は「すごいかっこいい。一層頑張ろうという気持ちになった」と表情を引き締めた。
●地元の応援に感謝
大の里は25日の幕内昇進決定後、初の地元入り。会場に姿を見せると集まった人から大きな拍手が起き、しこ名入りのタオルを掲げる子どもの姿も見られた。
新しい化粧まわしは、倶利伽羅峠の戦いで源氏方の木曽義仲軍が牛にたいまつを付けて平家軍を急襲した「火牛(かぎゅう)の計」を表現。大の里からの要望を取り入れたデザインで「津幡町と言えば火牛。他のところにないものなのでリクエストした」という。背景は好きな色であり、津幡町旗にも使われている緑を採用した。
初土俵から所要4場所で入幕した大器は「親から石川の新聞や雑誌で取り上げられていると、すごい連絡がくる。たくさんの人に存在を知ってもらえてうれしい。すごいパワーが届いている」と地元の応援に感謝。初場所に向け「勝ち越しを目指す」と意気込んだ。
中学進学を機に離れた津幡町については「津幡小の大西山の高台から見る景色が好き」と話した。
●町が広報特使に委嘱
後援会の総会では、会長に就いた矢田富郎町長が「町民挙げて応援したい」とあいさつした。
町は28日、大の里に「広報特使」を委嘱した。女子レスリングの金城梨紗子、川井友香子姉妹らに続いて6人目で、大の里は「自分は勝つしかない。番付を上げてアピールしたい」と話した。ヒノキを使った広報特使の名刺、地元産スギで作った名刺入れも贈られた。