たくさん歩ける正月に…ひざ痛即消える!15秒押す場所見つけ方

(写真:マハロ/PIXTA)

寒い季節になると、しゃがみにくい、歩きづらいなど、ひざの痛みが原因で生活に不便さを感じる人が出てくる。

「ひざの痛みが現れるのは“モヤモヤ血管”が原因かもしれません」

こう話すのはオクノクリニック総院長の奥野祐次先生だ。奥野先生は、痛みの専門医として、長年多くの患者の血管の状態を見続けていて、痛みと血管の関係についての研究発表も多数ある。先生によると、多くの関節痛の原因は実は血管にあるのだという。

「もともと血管には、新しく生えようとする習性があります。ところが、新しく生える血管はよい働きをするものばかりではなく、病気を悪化させてしまうような『病的血管新生』もあります。私はこれを“モヤモヤ血管”と呼んでいます」(奥野先生、以下同)

血管が新しく生まれると、必ずそのそばに神経も生まれる。異常に増えた病的血管の周りに異常に増えた神経が張り巡り、これが痛みを誘発するのだそう。

「モヤモヤ血管が肩に現れると五十肩、指先に現れるとヘバーデン結節、ひざに現れると変形性膝関節症として痛みが現れます。一度発生すると、なかなか痛みがおさまらないとか、特定の条件下でまた痛みが現れるなど、3カ月以上の長期にわたって続く傾向があります。骨が変形していなくても強い痛みを感じる人がいて、私はこのような場合は『モヤモヤ血管が原因』と考えています」

このモヤモヤ血管は通常のレントゲン検査では映らないため、痛みを訴えて病院でひざのレントゲンを撮っても「そこまで悪くない」などと言われてしまうそう。

若いときはこの血管新生の発生を抑制する働きがあるため、それほど起こらないのだが、年齢とともに抑制力が衰えて、増える。

「女性の場合、女性ホルモンのエストロゲンには血管を正常化し、血管を守る働きがあります。閉経後の女性に心血管の病気が急増するのは、女性ホルモンの低下と関係しますが、ひざ、肩、腰の痛みなどが増え始めるのも40~50代の更年期世代からです」

■「痛点」を見つけたら息を吐きながら15秒

ところが、意外にもモヤモヤ血管を簡単に消す方法があるのだそう。それが「15秒押し」だ。

まずはチェックリストでひざにモヤモヤ血管があるかどうかを確認しよう。

次にひざの内側にある骨の出っ張り周辺を指で押しながら、痛むポイントを探そう。見つかったら、そのポイントを、ゆっくりと息を吐きながら15秒ほど押す。何カ所か行ったら、次にひざの外側でも行う。そして、ひざのお皿の上と下、さらにひざの裏側にある痛点を探して押す。(イラスト参照)

押す力は爪が白くなるくらいの指圧程度の力で十分。グリグリともむような押し方や、強すぎる圧迫は炎症部分を刺激するので、真上から軽く圧をかけるだけにする。

「モヤモヤ血管は、その部分を押して、一定時間血流を止めることで、自ら消滅していくという傾向があります。これがモヤモヤ血管と正常な血管の異なるところです」

モヤモヤ血管が消えると神経も同時になくなり、痛みが緩和されるので、「15秒押し」を続けることで、即効性を感じる人も相当数いるのだそう。

「3日も続けたら激しい痛みが減ったという患者さんも大勢います。ただし自己判断は禁物。試しても痛みが軽減しない場合は医療機関を訪れてください」

テレビを見ながら、お風呂の中など、“ながら”でできるのもうれしい。年末年始に寒さの中で出かける機会も多いこの時季、ひざの「15秒押し」で、痛み知らずで外出を楽しみたい。

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