170年前の竜の大絵馬 再現 備中国総社宮、絵師ら有志が企画

斎灯さんが描いた新しい大絵馬

 備中国総社宮(総社市総社)に、竜をモチーフにした大絵馬が奉納された。境内には約170年前の江戸時代末期に描かれた同図柄の大絵馬があったが、劣化が進んで消えかけていたため、来年の干支(えと)に合わせて有志が“再現”を企画した。

 新絵馬は縦0.9メートル、横1.8メートル。ぎょろりとした目に鋭い牙と爪を生やした竜が力強い線で描かれ、背中に琴を弾く仙女を乗せている。2020年に拝殿の天井画を制作した絵師斎灯サトルさん=静岡市=が手がけた。

 古い絵馬(縦0.9メートル、横1.5メートル)は嘉永5(1852)年に奉納されたというが、その経緯や図柄に込められた意味合いははっきりしていない。ただ、傷みが激しく、竜の体などがほぼ分からない状態になっている。

 渡辺雅夫宮司(74)と斎灯さんの両方と親交があり、天井画制作も仲介した美容室経営前田美紀さん=岡山市北区=らのボランティアグループが現状を知り、絵馬の再現を提案した。

 「竜は願い事をかなえてくれる」と快諾した渡辺宮司。今月中旬、出来上がった絵馬が届き、拝殿入り口に掲げた。宮司は「見た人に幸せが訪れますように」と話している。

約170年前に奉納された大絵馬

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