【競馬初心者必見!】強い馬の見分け方

乗馬クラブにおいて、レッスンで騎乗する馬の多くが元競走馬であることはご存知だと思います。
馬房前に掲示されているプロフィールに、競走馬時代の馬名が表記されている馬も多いので、戦績などを検索された方もいらっしゃるのではないでしょうか。乗馬の中には、大きなレースに勝利した経歴を持ち、引退後も多くのファンを持つ馬もいます。

今回は乗馬の話題から少し離れて、競馬初心者の方向けに競走馬として強い馬とはどのような特徴があるのか、その見分け方についてまとめてみました。

見た目の特徴

競走馬として強い馬の見た目の特徴はいくつかありますが、特に注目すべきは以下の2点です。

①馬格
馬格とは、馬の体格のことです。馬格があるというのは馬体重が重く、大きくしっかりとした体格の馬のことを言います。

競馬は体重別レースはありません。体が大きい馬も体が小さい馬も一緒に走ります。
激しいレースになった時、互いの体がぶつかり合うこともよくあるので、馬格がない馬は非常に不利となるのです。
具体的には、馬体重が500kg前後の馬が勝率が高いというデータがあります。

②トモ
トモとは、馬の後肢のことです。競走馬の推進力を生み出し、スピードの源であると言っても過言ではありません。
特にトモの動かし方と形に注目します。

動かし方は、脛骨(けいこつ:後膝から飛節の間の骨)が曲がらずしっかりと振れて歩く動かし方が理想です。振り子をイメージしていただければわかりやすいでしょう。
『空を飛ぶように走る』と例えられた名馬ディープインパクトは、まさに脛骨が曲がらずにしっかりと振れて歩いていました。

これに対して、脛骨を少し引き上げるようにして歩く馬がいます。せっかくの推進力が前ではなく上方向に逃げてしまうので、速く走れません。

形については、トモを真横から見たときにゆったりとした長さ(水平方向)があるか確認します。長くてトモの頂点の角度が緩やかなほど良いとされています。

またトモを後方から見たときに、ゆったりとした深さ(垂直方向)があるか確認します。深ければ深いほどよく、トモと飛節の境目が腹袋のラインよりも下方にあるのが良いとされています。

さらにはトモを後ろから見たときに、がっしりとした広い幅をしているか確認します。角の取れた広い長方形に見えるのが良いとされています。

最後に、トモを真横および後方から見たとき十分な筋肉がついているか確認します。胴とトモの境目、トモと脛の境目がはっきりしているほど良いとされています。

勝ち方

レースでの勝ち方は、馬のポテンシャルを測定するのに重要なポイントです。
ギリギリでの勝利と圧勝、どちらも同じ勝ち上がりではありますが、将来性は大きく変わります。圧勝している馬は潜在能力が高く、他馬とはポテンシャルが違うことが多いです。

具体的には、ゴールした時に2着馬との着差が0.2秒以上ある馬に能力が高い馬が多いと言われています。過去の戦績を見たときに、着差をつけて勝利したレースが多い馬はかなり強い馬と言えるでしょう。

特に、新馬戦(デビュー戦)を圧勝した馬は将来有望な可能性がとても高いです。大きなレースを勝利する馬は、デビュー戦を圧勝をしていることが多いです。

人気

競馬において簡単に馬の能力を調べる方法があります。
それは「オッズ」です。

オッズとは、勝馬投票券(馬券)が的中した場合の概算払戻率のことです。具体的にはその馬券が的中した場合、どのくらいの配当がつくのかを「倍率」として表したものです。
オッズが低い馬は、勝馬投票券を沢山購入されている馬です。言い換えると、その馬が強いから人気が集まり、勝馬投票券が多く購入されているということになります。

参考までに上記のオッズ板の画像では、馬番号9番のイクイノックスが単勝2.6倍と最もオッズが低く、1番人気となっていることがわかります。

初心者の方におすすめの見分け方

初心者の方におすすめの強い馬の見分け方ですが、パドックを歩く馬を見ることが一番です!
パドックとは、レースに出走する前の馬を周回させる場所で、下見所とも言われます。その馬が所属する厩舎の厩務員が馬を曳いて周回します。最後の1周では、騎手が騎乗してパドックを周回します。
パドックで馬を見る主なポイントは、歩様、イレ込みなどの気配 、腹回りです。

歩様については前述した通り、トモ(後肢)の運びです。トモの可動域が大きく、踏み込んだ分だけ地面を蹴り、振り子のように大きく振れている馬は、レース中もしっかりとしたフォームで走ることができ、好走することが多いです。

イレ込むとは、レース前に興奮して落ち着かない様子を表します。イレ込みがキツい場合、発汗が酷かったり、口角に泡が溜まったりします。また首を上下に激しく振る、小走りになる、後ろ脚を蹴り上げる、ゼッケンの周りや股間から白い泡状のものが多く出ているなどが見られたら、かなりイレ込んでいる状態です。パドックで入れ込んでいる馬は、その時点でかなりの体力を消耗しているので、レースでは能力を出しきれない場合が多いです。

イレ込みやすい馬の場合、イレ込み防止用の馬具であるリップチェーンやホライゾネットなどをつけていることがあります。
リップチェーンは、馬の急所の一つである歯ぐきを鎖で締め付けおとなしくさせるための馬具です。ホライゾネット(覆面の目穴部分をネットで覆ったもの)は、視野を制限することで競走に意識を集中させる効果が期待できます。

腹回りについては、パドックで騎手が騎乗すると、馬も緊張して腹回りが引き締まってきます。騎手が騎乗する前の周回時よりも馬がピリッとしていれば、集中力が高まってきており良い気配ということです。

普段から乗馬クラブで馬を見ている方であれば、パドックでの馬の様子を観察することで馬の状態がわかることが多いと思いますよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

強い馬を見分けることは単純ではなく、沢山のポイントがあります。

今回は視覚的に判断できる項目についてまとめましたが、競馬はブラッドスポーツとも呼ばれており、目には見えない血統も馬の能力を決める大きな要因となってきます。

乗馬クラブの馬たちも活躍していたであろう競馬の世界にも、機会があれば是非注目してみて下さい。

© 株式会社ワールドマーケット