満員電車で…「うるさい!」泣き止まない息子に怒鳴るサラリーマン すると、前に座っていた女性からの助け船に「感謝いっぱい」

幼い子どもは電車やバスといった公共交通機関で、静かに乗っていられるのは難しいものです。さらに満員電車だった場合、機嫌を取ったり、子どもの身を守ったりすることでいっぱいいっぱいでしょう。
今回紹介するのは「満員電車で起きたほっこりした話」です。

体調不良に満員電車が重なり…

トシ(仮名)さんが当時5歳だった息子のカイくんを病院に連れて行こうと電車に乗ったときのエピソードです。

風邪で具合が悪そうなカイくん。当時は車を所有していなかったため、トシさんは電車で病院まで向かうことにしました。

最寄りの駅は通勤ラッシュの時間帯でとても混雑していました。カイくんと一緒に満員の通勤電車に乗れたものの、立っているのもやっとの状況で、混乱したカイくんはワンワン泣き出してしまいました。
トシさんはいろいろ泣き止むようにあやそうとしましたが、調子が悪いことと満員電車という異質な空間において不安を覚えたのか分かりませんが、カイくんはなかなか泣き止まなかったといいます。

そのうちに近くにいたサラリーマンが「うるさいから何とかしろ」とトシさんに文句を言ってきました。そこはグッと堪えて「すみません、すみません、静かにさせます」と言って謝り続けたトシさん。
このときの状況について「子育ては本当に大変だと再認識した」と話してくれました。

しばらくすると、正面に座っていた若い女性が「席を譲るのでお子さんを座らせてあげてください」と言ってくれたといいます。カイくんはお姉さんに「ありがとう」と言ってやっと座ることができました。

体調の悪い息子に席を譲ってくれた女性②(イラスト:23ca)

息子は今まで泣いていたのが嘘かのように泣き止み、静かになりました。駅について降りるときもカイくんと一緒に「お姉さんありがとう」と言って降りました。
無事に病院に着いて、先生に診てもらうことができて本当に良かったです。

子どもに背中を見せること

このときの様子について、トシさんに話を聞きました。

ー周りから助けてもらったとき、相手に対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
息子が泣き止まずに本当に困っていた状況での助け舟だったので、電車で席を譲ってくれたお姉さんに対して本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
また、近くにいたおばあちゃんも息子に優しい言葉をかけてくれたので「本当にありがとうございました」という気持ちです。電車から降りるときにも席を譲ってくれたお姉さんに息子と一緒に「ありがとうございました」と伝えることができたので良かったです。女性も「どういたしまして」とニッコリ笑ってくれたのでほっとしました。

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
自分自身も満員電車でベビーカー連れの若いお母さんが乗ってくると、自然と席を立って譲るようになりました。お姉さんに席を譲ってもらった経験が身に染みたようで、子連れのお父さんやお母さんの大変さを再認識しました。
また、子連れの方だけではなく、お年寄りの方や体の不自由な方が電車に乗ってきた場合でも「どうぞ」と言って席を自然と譲れるようになりました。
気持ちの変化としては、弱者や健常者ではない人もそれぞれの人生を一生懸命生きている人であり、自分だけが満たされればそれでいいという考えがいつの間にかなくなりました。

ー育児をする上で、大変なことはどのようなことでしょうか?
育児をする上で大変なことは子どもの行動が予測できないことです。また、急に想像もしていないことをしてしまうことや、大人の常識が通用しないことです。それは教育途中の段階なので当然と言えば当然のことだと思います。そのため「子どもが次に何をするか考えながらこちらも行動をしていかなければ、事故やケガにつながってしまうことがある」と最近では思うようになりました。
あとは「子どもがなんでこれはやっちゃダメなの」と聞いてきたときに「XXだからYYはやっちゃだめなんだよ」と理由を必ず説明するようにしています。

ー同じように育児に悩む方に伝えたいことなどを教えてください。
育児は常識や社会のルールを身に着けていくための教育だと思います。子どもは大人と違い、そういったことは身についていません。教えていないので当然と言えば当然のことなのです。
そのため、知らないことに対して怒るのではなく、根気よく教えて理解させることが育児だと思います。焦らずにじっくりと教えていけばいいと思います。

これから成長していく子どもには親の背中を見せることで、まっすぐ育ってもらいたいですね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

ほ・とせなNEWS編集部

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