奈良の「新・南都八景」を全紹介!古きよき姿が残る奈良散策にぴったりの写真映えスポット

奈良時代から続く風景が多々残る奈良。長い間奈良を象徴する風景として親しまれてきた「南都八景」をはじめ、ここには多くの写真映えスポットがあリます。そして今年12月に世界遺産登録25周年を記念して、新たに「古都奈良の文化財 新・南都八景」が選定されました。オンライン投票により選ばれた、東大寺、興福寺、春日大社、春日山原始林、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡の最も“写真映えする”撮影スポット「古都奈良の文化財 新・南都八景」を全て紹介します!

東大寺「二月堂の眺め」

仏の加護により、国家を鎮護しようとした聖武天皇によって建立された東大寺。東大寺は大きな大仏様・盧舎那(るしゃな)仏座像が鎮座する東大寺大仏殿や、迫力のある大きな「南大門」が有名ですが、今回「新・南都八景」として選ばれたのは、大仏殿からは少し離れた高台にある二月堂からの眺めです。

二月堂という名前は、修二会(しゅにえ)が旧暦の2月に行われることからついたそう。高い場所にある二月堂からは早朝や昼間、夕景や夜景など、時間や画角を問わず、美しい景色を見ることができます。

東大寺

住所:奈良県奈良市雑司町406-1

電話番号:0742-22-5511

アクセス: JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車徒歩5分

公式サイト:https://www.todaiji.or.jp/

興福寺「若草山からの興福寺遠望」

興福寺は、中巨(藤原)鎌足の婦人である鏡王女(ががみのおおきみ)によって、669年に建立された山科寺を前身寺院とし、平城京遷都の際に奈良に移され興福寺と改号したお寺です。鏡王女は、夫の病の回復を祈願して山科寺を建てたといいます。猿沢池越しから見る五重塔の眺めが古都奈良のシンボル的な風景となっていて有名です。

「新・南都八景」として選ばれたのは、建立当時と変わらない場所にある興福寺の伽藍を上から眺められる、若草山の山頂からの景色です。この興福寺を守ってきた先人たちの祈りに思いを馳せながら、古都奈良の歴史を感じることができます。

興福寺

住所:奈良市登大路町48番地

電話番号:0742-22-7755

アクセス: 近鉄奈良駅 東改札2番出口から徒歩約5分

JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス「県庁前」下車徒歩すぐ

公式サイト:https://www.kohfukuji.com/

春日大社「春日鳥居の前でたたずむ鹿」

朱色の社や鳥居が目を引く春日大社。創建は奈良時代の768年で、平城京の守護神として、神山御蓋山の麓に四柱の神様を祀っています。社殿の位置はほとんど変化がなく、緑豊かな周囲の自然と建物が調和した、日本古来の神社の姿を見せてくれます。

この古都奈良の歴史を感じられる春日大社で「新・南都八景」として選ばれたのは、春日鳥居の前に佇む鹿の姿。奈良時代に神様が常陸国から御蓋山へ白鹿に乗って来られたことから、春日神鹿は神様のお供とされており、奈良では神様の使いとして大切に扱われています。その鹿と赤い鳥居との組み合わせは、とても奈良らしい風景と言えるでしょう。

春日大社

住所:奈良県奈良市春日野町160

電話番号:0742-22-7788

アクセス:JR奈良駅・近鉄奈良駅から春日大社本殿行バス8分終点すぐ

または市内循環バス8分「春日大社表参道」下車、徒歩10分

公式サイト:https://www.kasugataisha.or.jp/

春日山原始林「滝坂の道」

春日大社の東側には、鬱蒼とした木々が生い茂る春日山があります。春日山は、841年に狩猟と伐採が禁止されて以来、春日大社の聖地として保護されてきた、日本人の伝統的な自然観と結びついた、スケールの大きな鎮守の森です。また原生的な状態を維持している照葉樹林としても貴重な場所で、約800種からなる多様な植物が維持されているといいます。

「新・南都八景」で選定された「滝坂の道」は、奈良市市街地からスタートした場合に、柳生街道の前半にある道になります。市街地からほど近いにも関わらず、珍しい植生が維持されていることから、特別天然記念物に指定されています。

春日山原始林

住所:奈良県奈良市春日野町

電話番号:0742-22-7788

アクセス:JR奈良駅・近鉄奈良駅から春日大社本殿行バス「春日大社本殿」下車、徒歩5分

公式サイト:https://www3.pref.nara.jp/park/item/2587.htm

元興寺「日本最古の屋根瓦」

元興寺は、6世紀に蘇我馬子が創建した日本最初の本格的伽藍である飛鳥寺を、平城京に移して創建したお寺。伽藍の中心部は平安時代以降に衰退していき、現在は、極楽坊と呼ばれていた僧坊の一角が残されているだけになっています。その極楽坊の本堂と禅室は、鎌倉時代に改築され、部材の一部に古材を転用したため、「日本最古の屋根瓦」と言われる、飛鳥・奈良時代の瓦が今も現存しています。

極楽坊の本堂と禅室の屋根を見てみると、新旧の瓦が目でしっかりわかるようになっており、この日本の仏教の歴史を感じられる屋根瓦が「新・南都八景」に選ばれました。

元興寺

住所:奈良県奈良市中院町11番地

電話番号:0742-23-1377

アクセス:JR奈良駅から徒歩20分

近鉄奈良駅から徒歩15分

公式サイト:https://gangoji-tera.or.jp/

薬師寺「南大門付近からの白鳳伽藍全景」

薬師寺は、680年に天武天皇が藤原京で発願し、697年に持統天皇によって本尊開眼、文武天皇の未代で堂宇が完成し、710年の平城京遷都で現在の場所に造営されました。薬師寺といえば、1967年より行っている白鳳伽藍復興のためのお写経勧進が有名ですが、道具を完備したお写経道場があり、宗教・宗派を問わず誰でもお写経をすることができます。

東塔と西塔が両脇に並び立つ姿は薬師寺の象徴であり、代表する風景ともいえます。この2つの塔を南から一枚の写真に収めることができる唯一の場所が、「新・南都八景」にチョイスされました。

薬師寺

住所:奈良県奈良市西ノ京町457

電話番号:0742-33-6001

アクセス:近鉄西ノ京駅すぐ

JR奈良駅から徒歩20分

近鉄奈良駅より奈良県総合医療センター行バス18分「薬師寺」下車すぐ

公式サイト:https://yakushiji.or.jp/

唐招提寺「金堂」

唐の僧・鑑真和上が戒律を学ぶための寺院として759年に創建したのが、唐招提寺です。御影堂に配された国宝である「鑑真和上像」は、日本最古の肖像彫刻ですが、秘仏になっているため、毎年6月6日の開山忌舎利会の前後3日のみ公開されることになっています。通常は、お身代わり像を開山堂で拝観できるようになっています。

唐招提寺の金堂は、特徴的な屋根の優美な曲線と鴟尾(しび)を持っており、この時代の建物では、寄棟造の屋根に鴟尾をのせているのは、唐招提寺の金堂のみになっています。「新・南都八景」では、世界で唯一無二の名建築である金堂が選ばれました。

唐招提寺

住所:奈良市五条町13-46

電話番号:0742-33-7900

アクセス:近鉄西ノ京駅から徒歩10分

JR奈良駅・近鉄奈良駅・近鉄西ノ京駅から奈良県総合医療センター行バス17分「唐招提寺」下車すぐ

公式サイト:https://toshodaiji.jp/

平城宮跡「平城宮跡の空」

平城宮跡は、奈良の都・平城京の中央北端に造営された宮城の跡地。東西1.3km、南北1km、面積120ヘクタールという広さがあり、築地大垣で取り囲んだ内部には、国の政治や儀式を行う大極殿・朝堂院や、天皇の居場所であった内裏、行政機関である役所、宴会を催す庭園など、さまざまな施設があったといいます。

1998年に復元された、平城宮の正門である朱雀門は、奈良時代に外国使節の送迎時に儀式を行った場所。周囲に高い建物がないため、遮るものがなく広く見渡せる場所に立つ美しい朱雀門と、空を捉えた風景が「新・南都八景」になっています。

平城宮跡

住所:奈良県奈良市二条大路南三丁目5番1号

電話番号:0742-36-8780

アクセス:近鉄大和西大寺駅からぐるっとバス「朱雀門ひろば」下車

近鉄奈良駅からぐるっとバス「朱雀門ひろば前」下車

JR奈良駅・近鉄奈良駅から奈良交通バス「朱雀門ひろば前」下車すぐ

公式サイト:https://www.heijo-park.jp/

「新・南都八景」を巡って古都奈良の魅力をもっと知ろう!

新しい奈良のフォトスポット「新・南都八景」。写真映えするだけでなく、古都奈良の歴史を感じられる場所ばかりなので、古きよき時代を思い浮かべながら、回ってみるのもおすすめです。

みなさんも「新・南都八景」を巡って、新たな奈良の魅力を見つけてみてくださいね!

古都奈良の文化財 新・南都八景

公式サイト:https://kotonara25.jp/event/hakkei.html

[All Photos By Kaori Simon]

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