コロナ5類移行後、初の正月 「にぎわい期待」和歌山県南部で帰省ラッシュ始まる

羽田からの飛行機を降りた人たちが行き交う南紀白浜空港到着ロビー(29日午前9時10分ごろ、和歌山県白浜町で)

 年末年始をふるさとや行楽地で過ごす人たちの移動ラッシュが始まった。和歌山県紀南地方の交通拠点では、29日午前から多くの人が行き交う様子が見られた。新型コロナウイルスが5類に移行して初の年末年始ということもあり、白浜町や田辺市本宮町といった観光地では、予約が埋まっている宿泊施設もある。

 白浜町の南紀白浜空港では29日、約160人が乗った羽田(東京)発の日本航空定期便が午前9時ごろに着陸。到着ロビーで大きな荷物を持った人たちが行き交った。

 東京都渋谷区から家族3人で訪れた会社員男性(65)は「熊野三山やアドベンチャーワールドへ行くのが楽しみ」と話した。

 白浜空港を運営する南紀白浜エアポートや日航によると、羽田とを結ぶ定期便(1日3往復)は羽田発が29、30日が満席。白浜発は1月2、3日で満席の便があるほか、空席の少ない便もある。

 JR白浜駅では29日、大阪方面からの特急「くろしお1号」が午前10時10分ごろに到着。家族連れらが続々と降りた。

 町内の実家への帰省で子ども2人と特急を利用した京都市、パート星田あつみさん(33)は「アドベンチャーワールドへ行く予定。あとは実家でゆっくり過ごしたい」と話した。

 田辺市内の国道42号田辺バイパスは29日、白浜方面行きの他府県ナンバーの車が目立った。

 西日本高速道路の渋滞予測(22日発表)では、阪和自動車道の南行きが印南インターチェンジ(IC)―みなべIC間で1月2日午前11時~午後0時台に5キロ、北行きは南紀田辺IC―印南IC間で、1月2日午後4時~6時台と3日午後5時~6時台に各5キロとなっている。

■観光業「にぎわい期待」

 白浜温泉旅館協同組合(加盟24施設)によると、各施設とも30日から1月2日までは、ほぼ満室。1月3日は空きがある。

 ある宿泊施設によると、4日以降の日本人観光客の予約は少ないが、香港、台湾、韓国など海外からの観光客の予約が多い。「コロナ禍にあった国や県の旅行支援策がなくなったことが大きい。物価高で旅行を控える人も増えたのではないか」と分析した。

 田辺市本宮町の熊野本宮観光協会によると、協会加盟の宿泊施設は年末年始、おおむね満室の状況。

 担当者は「コロナ禍が落ち着き、今年の秋はこれまで以上に多くの観光客が本宮に来られた。この正月もかなりにぎわうのではないか」と話している。

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