日本代表初選出&途中離脱から半年…帰ってきた川村拓夢「悔しくて代表戦を一切見ないようになりました」

日本代表MF川村拓夢[写真:©超ワールドサッカー]

サンフレッチェ広島のMF川村拓夢(24)が日本代表への思い入れを語った。

今シーズンの広島で定位置を掴んだ川村。J1リーグ32試合にいずれも先発出場した24歳は、6月のキリンチャレンジカップでA代表初選出も、体調不良で途中離脱を余儀なくされ、あれから約半年…2024年1月1日の『TOYO TIRES CUP 2024』タイ代表戦に向けたメンバーに選出された。

川村は前回招集時の途中離脱を振り返り、「悔しくて(日本代表戦を)一切見ないようになりました」と明かしつつ、所属クラブに戻ってからは「自分のプレーに集中し、特別意識を変えるようなことはしませんでした」と、前を向いて再招集を目指してきたと語る。

広島では今季J1リーグ32試合3得点、YBCルヴァンカップ5試合2得点、天皇杯2試合0得点という成績。積極的な攻撃参加に持ち前の左足シュートも光った1年だが、「もっと数字(ゴール)を伸ばせたはずですし、来季はより大きな数字を残したい」とスケールアップを誓った。

ボランチとして今回の代表活動でアピールしたい点は?と問われると「森保監督ともお話しさせていただきましたが、ボックス・トゥ・ボックスの部分を評価していただいての招集なので…そうですね。やはり自分の特徴を最大限に発揮したいです。左足のシュートは…そこを取り除いたら、自分には何も残らないです(笑)」とした。

「前回の初招集の時は、本当にいっぱいいっぱいだったとというか…今回は2回目ですし、シーズンオフでもありますので、何も心配することなく来ています」

「ここ半年で『ポジショニング』が自分自身成長した点だと思っています。全ての局面で前へ行くのではなくて、タイミングを見計らって、ここぞというときに」

また、自身が途中離脱した6月の活動以降、日本代表は9月の欧州遠征でドイツ代表を“返り討ち”にするなど、チーム力がアップした印象。6月以降の代表戦は試合結果しか知らないという川村だが、それでもやはりチームの進化を感じているようだ。

「ある時、(広島の)スキッぺ監督から『もっと楽しめ』と言われました。(途中離脱から)思い詰めていた雰囲気が周囲に伝わっていたのかもしれません。というのも今の日本代表はレベルがすごく上がっている感じがしています。そこに対して『自分ももう一度入りたい』という想いも日に日に強くなっていきました」

日本代表初選出で悔しい途中離脱…あれから半年、広島で愚直とも言えるほど鍛錬を積んで帰ってきた川村。元日のタイ戦で初キャップ獲得なるか。勿論、アジアカップメンバー選出も目指していることだろう。

思い返せば、日本代表に前回のアジア制覇(2011年)をもたらしたのは、当時広島所属のレフティー、李忠成だった。

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