なべやかん遺産|「東京ミニコン2023」 芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「東京ミニコン2023」!

大盛り上がりのイベント!

最高に楽しかった東京コミコン2023

2023年もあっという間に過ぎてしまった。コロナ時代になり趣味人の自分にとってかなりつまらない日々が続いていた。イベントが無いので趣味仲間にも会えない。

そうなるとネット世界でコレクションを増やすしかないのだが、コロナ禍は同じ考えの人間だらけになり怪獣ソフビも映画プロップもバカみたいな値段に跳ね上がってしまった。怪獣ソフビは今までの相場の2~3倍。プロップは2~10倍。そんな値段じゃ買いたくても買えない。

色んな鬱憤の溜まった2023年だったが、12月8.9.10の3日間、幕張メッセで東京コミコンが行われた。東京コミコンは映画・コミック・アニメ・ゲームなどのポップカルチャーを扱ったイベントである。実行委員長の胸組光明さんはハリコレというショップの代表。

ハリコレは映画グッズを扱ったお店で、キャラクターフィギュアや映画プロップレプリカや撮影用プロップ(本物)も扱っている。胸組さんはテレビ東京『開運!なんでも鑑定団』で映画プロップ鑑定士もやっている。

東京コミコンの一番の目玉は、ハリウッドセレブをゲストに呼んで写真撮影会&サイン会をおこなう事。過去に自分も様々な映画スターにサインを書いてもらったり写真を撮ってもらったりした。サインも写真も金額は高いがハリウッドスターと握手が出来たりするので良い思い出になる。

東京コミコンは2016年が第一回でコロナ禍はオンライン開催や中止もあったが2023年はコロナが明け規制も無くなったので大盛り上がりだった。

本物と区別がつかないクオリティ

第一回目から毎回自分はブースを出している。数年前から自分のブースはハリコレさんのブースエリアに混ぜてもらえているのでとても良い場所をいただいている。我がブース名は『ハリコレ特撮マニアbyなべやかん』 というネーミング。

友達のメーカー(レッドシャーク、エモリハルヒコ)のソフビを売ったり私物を売ったりしているが、メインは日本の特撮作品に出演している俳優さんに来ていただきハリウッドセレブに負けないサイン&写真撮影会をおこなう事だ。

去年までは自分でタレントさんのブッキングをおこなっていたが、なかなか大変だし広がりも人脈にも限りがあるので今年は『TokuSpirits』さんに丸投げしてブッキングやら運営を全てお任せする事にした。つまり自分はブースオーナーみたいなものだ。(地主はハリコレさん)

オリジナルモールドのダースベイダー。

オーナーになると気楽なもので、常にあちこちプラプラ出来る。会場内で絶対に見ないといけないのが、毎年増えている東京コミコン所有の映画プロップの数々。

プロップ展示エリアに行くとまず目につくのがダースベイダーだ。おそらく映画キャンペーン用に作られたものだと思うのだが、オリジナルモールドのものを見られる事は貴重だ。仮にこれが一瞬でも映画内で使われていたら価値は跳ね上がる。(最近この跳ね上がり方が尋常じゃないから嫌だけどね)

R2-D2欲しいよー。
ファンメイドのR2-D2。これ欲しい。

そのお隣はR2-D2。撮影用のR2-D2ってやっぱり良いよな。スター・ウォーズファンのブースにはファンメイドのR2-D2もいて撮影用プロップから採寸して作っているので本物と区別がつかない出来。しかもラジコンで動くから映画の世界のようだ。

東京コミコン所有のR2-D2は近年の作品に登場したものなので値段も一千万円くらいかな?

ちなみにクラシック作品に登場したものが数年前に出品され2億円で落札された。でも、こんな事で驚いてはいけない。その時よりもっと良いR2-D2が最近オークションに出品されスタート値が4億円だった!

スターウォーズ以外でも価値が高いものが多数展示されている。今回の目玉はブルー・スリーのヌンチャク。自分もこの時のオークションを追っかけていたが、出品された事にビックリ!しかも東京コミコンが落札していた事が二つ目のビックリだった!!

国立博物館レベルのお宝

スパイダーマンも良かったな。アベンジャーズ版のスパイダーマンも良いがトビー・マグワイア版も好きだ。本物のコスチュームが見られるって幸福な事だ。

コレクターとして負けず嫌いなので書かせてもらうが、自分は日本版のスパイダーマンのプロップを持っている。日本版は巨大ロボ(レオパルドン)が出てくるのだが、そのロボの頭を持っている。当時一つしか作ってないのでとても貴重。世界中のスパイダーマンファンの間では超有名なロボだ。

フリートウッドRVビークルはバス2台分の大きさ!

多くの人の目が行ったのは『ジュラシック・パーク』に登場したフリートウッドRVビークル。巨大なバス、アメリカから運んでくるだけでも費用が凄いだろうに!コレクションの規模が凄すぎる。

国立博物館レベルのお宝にただただ驚愕。保管だけでも大変だろうな。

ちなみに自分もハリウッド映画使用車の購入を持ち掛けられた事があるが、置き場がないので断った過去がある。

飛行機マニアから本物のミグ戦闘機を買わないかと言われた事もあるがこれも断った。巨大なものを置ける凄さ!コレクションに関して負けず嫌いでも完敗を認めるしかない。白旗ふるよ。

デロリアンの拘りは凄すぎる。

撮影用プロップ風に仕上げている名車たちも飾られていた。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンは拘りの改造だ。

撮影用と見分けが付かない出来栄え。これで時速88マイル(約141 km/h)で走り次元転移装置へ1.21ジゴワットの電流を流せば本当にタイムトラベル出来るような気がしてしまうのは自分だけ?

ジゴワットという単位は無いけどね。そもそもデロリアンが価値の高い車だから色々な意味で凄い。

バットモービル運転してみたいな。

ティム・バートン監督作品『バットマン』のバットモービルは迫力あるな~。ここまでやられてしまうと何も言えなくなる。これで走ってみたいな。でも、大通りは良いけど一車線道路は嫌だ。ちゃんと曲がれる自信が無い。車庫入れは絶対に無理だな。

その他、様々な展示物を見たり、色んなブース回ったりして色んな人達に会った。ゴーストバスターズファンの人達のクオリティ高いコスプレに感動したり、『100日後に死ぬワニ』の作者きくちゆうきさんや彫刻家の吉田孝弥さんのブースに行ったりして立ち話にも花が咲く。

来年のコミコンが待ち遠しい

自分のブースに戻ろうと思ったのだが、目の前に映画プロップオークション会社のブースがあり、これからオークションに出品されるワードローブ(衣装)やプロップが展示しているので直ぐには帰れない。

『マンダロリアン』に登場したストームトルーパーのマスクは欲しいけどスタート値が150万円超えだからいきなり無理。

ちなみにクラシック作品のマスクはオークションに何度か出ているが毎回2000万円超えしている。

展示品で一番欲しかったのは『ロッキー4』でアポロ・クリードがイワン・ドラゴと闘う時に着衣したアメリカ国旗デザインの帽子とガウンとトランクス。ロッキー映画ファンなのでかなり欲しいが全て落札するには1000万円以上用意しないといけないだろう。

最近は人気映画のプロップやワードローブを買おうとしたらフェラーリやランボルギーニを買うのと同じくらいお金がかかってしまう。どちらを選ぶか、あなた次第です。

そんなこんなでやっと自分のブースに到着。我がブースは戦隊ヒーローの俳優さんが集まってくれた。3日間ホスト役として『光戦隊マスクマン』レッドマスク役の海津亮介さん、『高速戦隊ターボレンジャー』レッドターボ役の佐藤健太さんが登場してくれた。

『ハリコレ特撮マニアbyなべやかん』オーレンジャーの二人と。

初日のゲストは『超力戦隊オーレンジャー』オーレッド役の宍戸勝さんとオーピンク役のさとう珠緒さん。実はこのお二人には頻繁にお会いしている。

宍戸さんはムード歌謡の歌手なので、ムード歌謡ショーの司会をたまにやらせていただいている。珠緒さんは自分の誕生日会にも来てくれるので仲間って感じ。集まってくれたお客さんは男子が多いので女子人気は凄かったよ。

藤さん、巨人だ!
小田井さんLiLiCoさん夫婦が遊びに来てくれた。

二日目は『地球戦隊ファイブマン』ファイブレッド役の藤敏也さん。海津さんから『彼は巨人だよ』と聞いていたが本当に大きかった。

日本のヒーローが集まるブースという事もあり、東京コミコン2023で司会を務めた小田井涼平さん(『仮面ライダー龍騎』仮面ライダーゾルダ役)とLiLiCoさん夫婦が来てくれた。小田井さんも大きい。やっぱりヒーローをやる人は背が大きいぞ。ちなみに自分もヒーロー役者で、永井豪先生原作『へんちんポコイダー』を演じた過去がある。

東映ヒーローはイケメン役者の登竜門。自分は下ネタ路線だが対抗心だけはあった。イケメン対海綿体。結果はイケメンの勝ち。(当たり前か?)

嶋さんとパチリ。

最終日は『超獣戦隊ライブマン』レッドファルコン 役の 嶋大輔さん。嶋さんはこういったイベントに出た事がなかったので大人気で長蛇の列が出来た。控室で嶋さんと話をさせてもらったのだが、お酒が飲めない事に驚き!自分も飲めないので親近感が沸いた。

そんなこんなの東京コミコン。疲れたが楽しいが勝つ素晴らしい三日間。東京コミコンという空間が自分はとても好きだ。

だから、これが幕張メッセでなく東京コミコンという街だったら良いのに。コスプレーヤーがいたり映画グッズが販売&展示されていたりアパレル店もキャラクターのものだらけだったり飲食もケータリングの車が並んでいたら楽しいよ。

地元下北沢は間違った方向に進み、この先もおかしな方向に行きそうだからいっそのこと東京コミコンシティにしてみない?

街ぐるみで東京コミコンであって欲しい。

楽しかったな、東京コミコン。来年のコミコンが今から待ち遠しい。

なべやかん

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