安保理、入植者による暴力懸念 西岸協議、ガザ波及を警戒

29日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の情勢を協議する、国連安保理の緊急会合=米ニューヨーク(共同)

 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は29日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の情勢を協議する緊急公開会合を開いた。イスラエルを擁護する米国を含め、各理事国はユダヤ人入植者によるパレスチナ人への暴力の急増を懸念し、パレスチナ自治区ガザでの戦闘が他の地域に波及することに警戒感を示した。

 ガザでの戦闘が10月に始まって以降、安保理が西岸を中心に協議するのは初めて。イスラエルのエルダン国連大使は「安保理が取るに足らない過激派入植者による事象に焦点を当てて時間を浪費していることが衝撃だ」と反発した。

 米国の代表は、入植者の暴力を防止する必要性をイスラエル政府に伝えていると強調。「西岸での入植地拡大はイスラエルとパレスチナの『2国家共存』の実現を危機にさらす」と述べた。

29日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファで、イスラエル軍の攻撃を受けた建物を調べる人々(ロイター=共同)

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