声に出して読みたい「くがにくとぅば」日めくりで登場 ふりがなや漢字表記にひと工夫 那覇市文化協会が制作【動画あり】

 那覇市文化協会のうちなーぐち部会が、沖縄の言い伝えや教えを集めた「くがにくとぅば暦(くゆみ)」を制作した。

「くがにくとぅば暦(くゆみ)」を制作した(左から)那覇市文化協会の崎山律子会長、うちなーぐち部会の安良城米子さん、名嘉山秀信会長、宮良信詳さん=2023年12月29日、那覇市・沖縄タイムス社

 「命(ぬち)どぅ宝」(命は何よりも大切なもの)、「人(っちゅ)に懲(くる)さってぃん 寝(に)んだりーしが 人懲ちぇー 寝んだらん」(人に痛めつけられることがあっても人を痛めつけてはならない)など31の言葉を選び、日めくり形式で掲載している。うちなーぐち部会の名嘉山秀信会長らが12月29日、那覇市の沖縄タイムス社を訪れ「声に出して読んでほしい」とPRした。

 琉球大学の宮良信詳名誉教授が監修し、ふりがなや漢字表記に工夫を加えた。

 例えば「行逢(いちゃ)りば ちょーでー」の「ちょーでー」は「兄弟」と漢字表記されることが多いが、うちなーぐちでは性別を問わない広い概念であることから、ひらがなで表した。日本語訳も「出会えばもはや兄弟姉妹も同然」としている。

 「人に懲さってぃん―」では「人」の読み方を、促音を含めた「っちゅ」とした。「懲(くる)さってぃん」は「殺」ではなく「懲」と表記し、「痛めつけられる」との意味を正確に表す工夫をしている。

 うちなーぐち部会の安良城(あらぐしく)米子さんは「くがにくとぅばは、暮らし中で生み出された、うちなーんちゅの誇り」と話す。

那覇市文化協会うちなーぐち部会が制作した「くがにくとぅば暦(くゆみ)」

 那覇市文化協会の崎山律子会長は暦の中から「打たん鐘(かに)ぬ鳴(な)ゆみ?」(鐘も打たなければ鳴らないように何事も行動しなければ実現しない)のくがにくとぅばを挙げ、うちなーぐち継承への意欲を新たにした。

 「くがにくとぅば暦」は1部千円。問い合わせは那覇市文化協会、電話098(861)1909。(年末年始は休み。2024年1月4日以降対応)

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