「頭痛がする」その後亡くなった妻とお腹の中の赤ちゃん 「妊娠オウム病を知ってほしい」発信を続ける夫に迫る

妊娠、出産は当たり前ではなく、妊娠中や出産時には何が起こるかわかりません。日本では妊娠中や出産時に母体が亡くなってしまうことは減ってきているものの、0ではありません。

Ikki Kurio(@a.l.o.h.a_japan)(以下、いっき)さんの奥さんである亜美さんは、妊娠中に「妊娠オウム病」という病でお腹の赤ちゃんと共に亡くなりました。

いっきさんは、多くの人に妊娠オウム病について知ってもらおうと、Instagramでの投稿をはじめとしてさまざまな活動をしています。

今回は、いっきさんに妊娠オウム病について話を聞きました。

妊娠オウム病とは

ー妊娠オウム病とはどのような病気なのでしょうか?
オウム病とはオウム病クラミジアの感染によって生ずる人獣共通感染症です。インフルエンザのような症状が続き免疫力が低下した妊婦や老人(持病)がごくまれに症状が悪化し、数日で死に至ることもある病気です。
感染症法における四類感染症に分類されます。インコ、オウム、ハトなどの鳥はこの菌を保有していることがあります。妊娠中に感染したので妊娠オウム病といいます。

妊娠オウム病②(@a.l.o.h.a_japanさんより提供)

妊娠オウム病の症状

ー日本での症例が少ないと言われる妊娠オウム病ですが、病気がわかったときどのようなお気持ちでしたか?
病気がわかったのは妻とお腹の赤ちゃんが亡くなって半年後でした。体の一部を菌専門の機関で調べてもらい「オウム病」だと知りました。
症状などでその半年間自分なりに調べていたのですが予想もしていない病気でした。医師の話を聞くとすごく珍しいケースなのでとても悔しかったです。
あわせて妻たちが頑張って教えてくれたことなので、しっかり医師の説明を聞きこの病気についてたくさんの方に届けないといけないと思いました。

妊娠オウム病③(@a.l.o.h.a_japanさんより提供)

ー亜美さんは5日間高熱が続いていたとありますが、突然高熱が出てしまったのでしょうか?また、他に症状はありましたか?
「ちょっと頭痛がするんよ」と妻が言ってきて、日常でよくある「なんか風邪っぽい」のような症状から日に日に熱が上がり亡くなりました。

家族について

妊娠オウム病によって亡くなってしまった亜美さんと次女のエアちゃん。現在いっきさんは、長女のナサちゃんと二人で暮らしています。

いっきさんとなささん(@a.l.o.h.a_japanさんより提供)

ーナサさんは、亜美さんとエアさんが病で亡くなられてしまったことをどのように捉えていますか?
「お空にいる」とよく言っています。
買い物などに行くと亜美やエアのネックレスやおもちゃを買ってと言い、購入したものを仏間によく置いています。
母親と妹がいるけど亡くなった認識はあるようです。

ーいっきさんとナサさんでどのような家族を作っていきたいですか?
とにかく娘のナサが笑って幸せになれば嬉しいです。それが私自身の幸せにもつながるので。

妊娠オウム病についての発信

ー妊娠オウム病についての発信をされていますが、妊娠オウム病を多くの方に知ってもらうためにどのような活動をされていますか?
インスタグラムのLIVE配信や投稿です。副業であるワークショップでのビラ配布もしています。あとは直接話して発信しています。

ー発信を続けることで、どのような変化がありましたか?
病気についてたくさんの方に知ってもらえました。
また、知人たちからは私の知らない妻のエピソードを教えてもらい、妻が本当に表裏のない素敵な人間だと知り誇らしく思いました。

妊娠オウム病⑥(@a.l.o.h.a_japanさんより提供)

ー今後の活動の中でどのような人にどのようなことを伝えていきたいですか?
妊婦の方、そのご家族や若い世代の方、外で仕事をする方などに知ってほしいです。
動物園には、妊婦の方や持病がある方へのポスター設置をお願いしたいですし、ペットでインコやオウムを飼っている方も正しい行動をしていれば感染は防げます。
たくさんの方にこの病気の存在を知ってもらえたら嬉しいです。

また、対策についても伝えたいです。
手洗い、うがい、妊婦さんは安静にしたり、清潔な状態で妊婦さんと接する、周りがサポートしてあげる、鳥を飼っている方はこまめなフンの後始末もちろん、妊婦の方や持病がある方は作業しないなどです。

妊娠オウム病⑤(@a.l.o.h.a_japanさんより提供)

妊娠オウム病によって、命を失ってしまった亜美さんとエアちゃん。
妊娠オウム病という病を知らなかったという人は多いのではないでしょうか。
いっきさんの発信から、病の存在を知り、悲しい思いをする人が減ることを願うばかりです。

ほ・とせなNEWS編集部

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