泉房穂氏、田崎史郎氏の「責任」問う「〝汚い政治〟追認&擁護の罪深い」 検察と官邸の〝手打ち〟も懸念

兵庫県明石市の前市長・泉房穂氏が29日に放送されたテレビ朝日「モーニングショー」に生出演し、自民党の裏金問題に検察の捜査が入った件について、政治評論家・田崎史郎氏の見解に舌鋒(ぜっぽう)鋭くツッコミを入れる場面が注目された。泉氏は同日の番組出演後、X(旧ツイッター)に連続投稿し、田崎氏に投げかけた言葉の真意を説明する一方、検察と官邸の〝手打ち〟となる可能性を懸念した。

番組内で特にクローズアップされた場面は、田崎氏の「数十万円で摘発していったら安倍派の議員はほとんど関わる。議員90人くらいいなくなったら大変」という発言。このコメントに対し、泉氏は「全員いなくなっても誰も困らない。きれいに一掃して新たな方が立候補したほうが日本の夜明けが始まる」などと持論を展開。ネット上では「数十万円」や「田崎史郎」といったワードがトレンド入りした。

このやりとりを受け、泉氏はXで「『全部摘発したら90人ぐらい。いなくなったら大変ですから』と田崎史郎氏は言うが、いなくなっても、国民的には特に困らない。逆にきれいに一掃して、新たな方が立候補し、新しい政治が始まった方がいいように思う。検察は政権に忖度せず、徹底的に捜査を続けるべきだ」と補足した。

番組内で発した「日本の夜明けが始まる』という自身の言葉には「ホントにそう思っている」と強調。泉氏は「国民の多くが、日々の生活にも大変な状況なのに、かたや権力の中枢に近い方々は、裏金で私利私欲をむさぼりながら、国民負担増の政治を続けている。そんな方々がいなくなっても、国民は困らない。困るのは、情報をもらえなくなるコメンテーターぐらいではなかろうか…」と付け加えた。

さらに、番組内で〝裏金〟ではなく、政党交付金でやりくりすべきという話の流れに対して、田崎氏が「なかなか、そこまでは行かない気がします。現実問題として」と述べたところ、泉氏は「大御所に失礼だけど、こんな大御所がこんな大きなテレビ番組で『しょうがない』というようなことをおっしゃるから、(国民も)『しょうがない』と思うんであって。もっとちゃんと、ピシッと言っていただいたほうがいいと思いますよ。田崎さんも責任あると思いますよ」とクギを刺した。

泉氏は「田崎さんにも責任がある」発言について「かねてからそう思っている。マスコミの責任も重いと思う。『しょうがない』で済ますべき問題ではない…」と改めて指摘。ネットニュースの「公開説教」という見出しには「違和感がある。大御所に『説教』できるような立場ではなく、シンプルに〝お願い〟をしただけだ」と説明。また、「田崎氏にかみついた」という記事には、その「認識はない」として、「政治の表も裏も知りうる立場にいて、テレビでも大きな影響力を有していながら、こんな〝汚い政治〟を追認し、擁護を続けてきた罪は深いと、お伝えしたかっただけだ」と補足した。

その上で、泉氏は「ボコボコにしたつもりも、するつもりもありません。大御所のご意見番に対して、そんな失礼なことはしません。忖度発言を繰り返すだけでは、もったいないですよ、との感想をお伝えした程度だ。ボクシングでいえば、ジャブを打った程度だ」と真意を説いた。

また、泉氏は番組内で今後の東京地検特捜部の動きについて「トカゲのしっぽ切り」となることを懸念し、1月の国会開会で捜査期間が区切られていることに「開会しても捜査は続けるべき」と訴えた。

泉氏はXに「90人のうち3人か4人だけを見せしめにして、あとは〝見て見ぬフリ〟で仕方ないとの感覚が理解できない。検察も〝究極の忖度組織〟ゆえ、裏で官邸と〝手打ち〟をしていそうだが、それは間違いだ」と指摘。さらに、「あえて言うが、検察は〝正義のヒーロー〟などではなく、〝究極の忖度組織〟だ。時の権力と〝裏取引〟をしながら、どこで〝手打ち〟をするのかを〝密約〟していたりもする。マスコミも、検察のリーク情報を漫然と垂れ流すだけでは情けない。残念ながら、検察は〝国民の味方〟ではない」と危惧した。

泉氏は30日朝、Xを更新。1月1日午前2時からテレビ朝日系で放送される「朝まで生テレビ!元旦SP」に自身が生出演することを踏まえ、「田崎史郎さんも出演なさるので、『モーニングショー』の続きとして『安倍派議員90人がいなくなって、何が困るのか』をあらためて聞いてみたい」と予告。「困るのは、今の政治を良しとしている方々であって、国民からすれば、別に何も困らない」と締めくくった。

(よろず~ニュース編集部)

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