JR九州、運転士名張り出し廃止 車掌名も、カスハラ防止へ

乗務員の「氏名札」が掲示されていたJR九州の在来線車内。プライバシー保護やカスタマーハラスメント対策で廃止される

 JR九州が2024年元日から、全ての在来線車内で運転士や車掌の名前の張り出しを取りやめることが30日分かった。交流サイト(SNS)への投稿が相次いでおり、プライバシー保護やカスタマーハラスメント(カスハラ)防止を目的に「氏名札」の廃止に踏み切る。担当者は「働きやすい環境づくりの一環」と話している。

 JR九州は00年から在来線の先頭車両と最後尾の乗務員室から客室に向け、運転士と車掌の名前を記したプレートを掲示してきた。当初は所属部署とフルネームを表示し、安全運転への責任感を持たせる効果を狙った。

 ただ現在は、悪質な問い合わせといった迷惑行為の回避を理由に職種と名字だけを明示している。本人が着用する名札は今後も継続する。

 JRグループでは西日本と四国が今年7月以降、車内の氏名札を取りやめた。北海道と東日本は導入していない。

 国土交通省は今年8月、道路運送法などに基づく省令の改正により、バスやタクシーなどの車内での氏名掲示義務を廃止した。

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