犬へのおやつ、与えすぎな量ってどれくらい? 1日の適切な量とおすすめの使い方とは?

1日に与えるおやつの適切な量

犬に与えるおやつの適切な量は、『1日全体の食事量の10%程度』と考えられています。たとえば、愛犬が1日に食べるドッグフードの量が100gの場合は、おやつを10g程度までに抑えるといいでしょう。

なお、クッキーやボーロ、ジャーキーなどのおやつの場合は、ドッグフードとは異なり、使われている原材料が穀物や肉類など特定のものに偏っています。そのため、おやつの量が多すぎると、栄養バランスが崩れて、肥満や病気の原因になってしまいます。

もしも、食事として与えているドッグフードをおやつとしても与える場合は、10%を超えて与えてもかまいません。ただし、おやつとして与えた量を食事量から減らすようにして、1日で食べる食事量(摂取カロリー)が増えないように注意してください。

犬のおやつのおすすめの与え方

では、犬におやつを与える場合のおすすめの与え方を学んでおきましょう。どうせおやつを与えるなら、賢く活用したいですよね。

留守番中のひまつぶし

犬におやつを与えるタイミングとしておすすめしたいのが「留守番中」です。

犬にとって、ひとりで過ごす時間は退屈を感じやすいため、寂しい思いをさせてしまうことがあります。寂しい思いでストレスを感じさせてしまうだけでなく、不安感からいたずらや無駄吠えをする犬も少なくないでしょう。

そこで、特に留守番の最初の時間、具体的には飼い主さんが出て行って15分程度の間に、コングに入れたおやつなど時間をかけて食べられるおやつを与えておくことをおすすめします。

こうすることで、ひとりになった直後にしばらく集中できることがあれば、愛犬に寂しい思いから意識を逸らすことができます。

トレーニングのごほうび

ご存じの通り、おやつは犬のトレーニングのごほうびにもなります。

ただおやつを与えるのもいいですが、「おすわり」などひとつ指示をしてから与えたり、楽しいトリックを教えながら与えたりするのもおすすめです。

また、散歩のときにもおやつを持って行って、「横について歩く」「ほかの犬に吠えずにすれ違う」といったトレーニングなどに役立てるのもいいでしょう。

遊びに取り入れる

犬と室内遊びをするとき、おやつを利用した「宝探し」や「ノーズワーク」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

これらの遊びは、犬が嗅覚や記憶力や想像力を使って隠されたおやつを探し出すゲームです。走り回るような体力の使い方はしませんが、頭を使うゲームですし「獲物を探し出してGETする」という狩猟本能も刺激されます。

悪天候などで外遊びが十分にできないときは、ぜひ取り入れてみてください。

犬を満足させるおやつの与え方のポイントやコツ

犬に満足感のあるおやつの与え方をしたい場合は、「与える回数を多くする」ことを意識してください。

犬が口に入れた食べ物を「よく噛んで飲みこむ」ということをしないので、おやつの大きさが変わっても満足感はあまり変わりません。

1cm角のものであっても2cm角のものであっても「1回食べた」という感覚になることに変わりがないため、犬に与える場合は「1回の量より与える回数」を増やすようにしてください。

できるだけ細かく切って与える回数を増やしてあげると、犬は「おやつをたくさんもらった!」という満足感を感じられます。

犬におやつを与えすぎるとどうなる?

おやつが大好きな犬は多く、喜んでいる愛犬の姿を見るのがうれしくて、ついついたくさん与えたくなってしまう飼い主さんもいると思います。

しかし、犬のおやつを与えすぎてしまうと、前述した通り犬の健康的な体を維持するために必要な摂取カロリーを超えてしまいます。

1日食べすぎた日があったくらいで、すぐに太るわけではありませんが、そのような生活を続けていると余分なカロリーが蓄積されて「いつの間にか太っていた」という事態に陥ってしまいます。

犬にとって肥満は、様々な疾病やトラブルを引き起こす大きな要因となるものです。糖尿病や高血圧などを招くだけでなく、体重が増えることで心臓や呼吸器、関節などに負担をかけてしまうことがあります。

また、免疫低下を招くこともあるとされていて、様々な感染症やガンなどのリスクも増加します。

はっきりいって、肥満は健康にとってメリットとなることはほとんどありません。もちろん、痩せすぎもNGで、栄養バランスの整った適切な量の食事・おやつで、健康的な体をキープしましょう。

まとめ

犬にとっておやつは、ごぼうびや1日の楽しみとなることが多いでしょう。また、飼い主さんとのコミュニケーションツールともなるものです。

そのため、おやつを与えること自体は決して悪いことでありません。

しかし、与える量を間違えてしまうと、愛犬の体に負担をかけてしまい思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。

適切な量を守って、楽しくおやつを与えてくださいね。

(獣医師監修:平松育子)

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