多くのファンに愛される和菓子づくりの立役者 老舗・青柳総本家で輝く社員に密着!

青柳総本家の看板商品「カエルまんじゅう」

明治12年創業、144年の歴史を誇る青柳総本家。「ういろう」だけではなく、カエルまんじゅうやその進化系スイーツ「ケロトッツォ」でも知られています。そんな和菓子作りの原動力になっているのは“人”なんだとか。そこで今回は、伝統の味と技術を守り続ける老舗和菓子メーカーの3人の社員に密着しました。

1人目はカエルまんじゅうの顔を描く渡邉紀子さん

カエルまんじゅうの顔を描く工程を担う渡邉さん

看板商品の1つ、カエルまんじゅうの人気の秘密はなんといってもその見た目。にっこり笑うカエルの顔のかわいらしさにあるのではないでしょうか。そんなカエルまんじゅうに命を吹き込んでいるのが渡邊紀子さんです。薄皮生地の中に、こしあんがたっぷり詰まったカエルまんじゅうの顔描きを担当しています。渡邉さんは2013年にパートとして入社。当初から顔描きを担当し、ほかのスタッフも一目置くというスゴ技の持ち主。なんでもものすごいスピードで顔描きができるといいます。

流れるように顔を描く渡邉さんの早技(左)

カエルまんじゅうの目と口は熱したコテで焼き印を押して描きます。スピードをほかの人と比較してみると、その差は歴然! 渡邉さんは1列をたった6秒で完成させる早技を披露してくれました。

手作業でカエルの表情を描く

一見、機械でもできそうですが、カエルまんじゅうの輪郭は細かな部分で違うため、人の手でないと描くことができないとのこと。渡邉さんの早技があるからこそ、私たちの手元にかわいらしいカエルまんじゅうが届くのですね。

2人目は「ケロトッツォ」製造責任者の上野慎平さん

正確無比なクリーム詰めを披露してくれた上野さん

続いて、今や人気商品となった「ケロトッツォ」。カエルまんじゅうにクリームを詰めた進化系スイーツです。製造責任者である上野慎平さんは、そのおいしさを守り抜いている1人です。ケロトッツォの味の決め手は、あんこに対するクリームの量。上野さんに2つ作ってもらったところ、どちらも重さは16gでした。お見事!

社員のアイデアレシピを商品化したら爆発的ヒット

そんなケロトッツォですが、商品化の背景にはドラマがありました。もともと、ういろうで業界をリードしていた青柳総本家ですが、コロナ禍で売上が激減。会社がピンチになったときに、社員のアイデアから生まれたのが新商品のケロトッツォです。発売から1カ月で1万個を販売。当初の予想をはるかに超える売り上げで、会社の救世主となりました!

ひとつひとつ手作業で作られるケロトッツォ

ケロトッツォは、定番の「クリームチーズ&レモン」のほかに、安納芋を入れた「ラムレーズンとクルミ」「イチゴ」の4種類がラインアップ。渡邉さんによって命が吹き込まれたカエルまんじゅうに、上野さんのクリームを詰める職人技が組み合わさることで、ケロトッツォが生み出されていきます。人から人へ、バトンタッチです!

ケロトッツォを広める広報部のホープ・野崎千花さん

アイデアいっぱいの広報活動を展開する野崎さん

最後は、2023年の春に販売員から広報への配属となり、青柳の公式X(エックス)のフォロワーを3000人も増やした入社3年目の野崎千花(ゆきか)さんです。普段からカエルまんじゅうのフィギュアを持参。社内でカエルを冒険させる遊び心あふれる写真や、プライベートの旅行で撮影した写真などをSNSにアップしています。

自由で遊び心あふれる発信にファンが注目!

SNS以外にも、ハロウィン限定商品のネーミングやポスター等のメインビジュアルの構成も担当。青柳総本家の新規企画にも携わっています。もともと販売員だった野崎さんが、なぜ広報に採用されたのでしょうか? 副社長の後藤さんに話を聞きました。

野崎さんを褒めて照れる副社長・後藤さん

後藤さんが販売員を手伝ったときに、周囲に評価されていたことがその理由。常に先をみて動く野崎さんの仕事が素晴らしかったと話します。もう1つ、野崎さんの大きな功績が、コロナ禍で売上が激減する中、会社を救う新商品として開発した「ケロトッツォ」をSNS投稿で広めたことでした。

写真に収まりきらないサイズ感の巨大ぬいぐるみ

イベントなどで使うケロトッツォの巨大ぬいぐるみを使って動画を投稿。すると、4万を超えるインプレッションがつきました! 今まで以上に多くの人からケロトッツォを知ってもらうきっかけになったのです。

製造現場から広報まで、輝く社員の皆さんが手を取り合って進んできた青柳総本家。厳しいコロナ禍を乗り越えてきたからこそ、今の姿があるのですね!

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