猫の『記憶力』にまつわる5つの話 しばらく会わないと飼い主さんを忘れることもある?

1.短期記憶

短期記憶とは電話をかけるときに電話番号を覚えたり、レジでお金を払うときに金額を覚えたりする、一時的に覚えて用事が終われば忘れてしまうような記憶のことです。

猫は、この『短期記憶が優れている』と言われています。ただし、食べ物があった場所を何時間も覚えているなど、本能的に興味があるものの場合に記憶力を発揮しますが、興味のないことは忘れてしまうようです。

我が家の猫も、ごはんにおやつをトッピングした日以降の数日はうれしそうにごはんを待っていてくれます。気に入っているおもちゃで遊んだあとは、遊ぶ時間になると「あのおもちゃちょうだい」とアピールしてきます。

2.長期記憶

猫は繰り返すことで、長期的に記憶したりすることもできます。特に嫌なことは長期的に記憶できます。本能的に身を守り危険なことを避けようとするためです。

例えば、シャンプーが嫌な猫はタライを見たり、シャワーの音を聞いたりして思い出し逃げようとします。動物病院が嫌いな猫はキャリーを見たり、飼い主さんの雰囲気に気づいたりして隠れてしまうことがあるのです。

我が家の猫は動物病院に行くときに洗濯ネットに入れるのですが、洗濯ネットに似た白っぽい物を持っていると隠れてしまいます。

また猫は、うれしいことも長期的に覚えることができます。おやつの袋の形、パッケージや缶詰を開ける音などを覚えている猫は多いです。

おやつに似たパッケージの袋を持っていたり、人間用の缶詰を開けたすると、猫が「ごちそうだ!」と目をキラキラさせて寄ってきた、という経験がある飼い主さんは多いのではないでしょうか。

3.子猫時代の記憶がベースになる

生後2~7週間を「社会化期」といい、猫はこの頃の体験で他の猫との関わり方や価値観など、いろいろなことを覚えます。

さらにこの時期は猫の性格形成にも大きく関係し、その猫が成猫になったときの行動にも影響する、と言われています。

社会化期に人間や他の猫、犬と友好的に接することができると、人見知りをしない猫、他の動物とも仲良くできる猫になることがあります。反対に、人間や他の動物と触れ合うことが少ないと、飼い主さん以外の人や動物に警戒するようになると言われています。

4.飼い主さんを見て覚える

猫は好奇心旺盛な動物。ドアや引き戸を開けてその先に行きたいとなれば、こっそり飼い主さんを観察して、ドアや引き戸の開け方を学習してしまうこともあるのです。また、「これをすると飼い主さんが喜ぶ」ということを覚えてやってくれる猫もいます。

もともと子猫は、母猫の行動を見て真似て覚えます。見て覚えることは案外得意なのかもしれません。

5.飼い主さんのことは忘れにくい

ごはんをもらい、トイレをきれいにしてもらい、甘えさせてもらうなど、飼い主さんから愛情をもらった猫にとって飼い主さんは長期的な記憶となり忘れにくくなります。

しかし、残念ながら飼い主さんと会わなくなると、ほんの2~3年で忘れてくる、と言われています。

とはいえ、特に結びつきの強かった飼い主さんなら、猫の名前を呼んであげたり、猫が好きだったおもちゃやおやつなどを使ってコミュニケーションをとったりすることで、飼い主さんとの記憶を呼び起こすことができる可能性もあるでしょう。

まとめ

猫の記憶力は優れていて、おやつやおもちゃなど好きなこと、怖かったことなどはよく覚えています。

しかし離ればなれになってしまうと、飼い主さんのことは数年で忘れてしまう、とも言われています。

猫によって記憶力には個体差があり、老化によって衰えることもありますので、一度愛猫の記憶力について観察してみてはいかがでしょうか。

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