高校サッカーの名門、市立船橋が輩出した「最強の5人」

28日に開幕した第102回全国高校サッカー選手権大会。

千葉県代表の市立船橋は1回戦で山口県の高川学園と対戦し、4-1で快勝。清水エスパルス加入内定の10番、郡司璃来が今大会初のハットトリックを達成した。

高校サッカー屈指の名門として知られる“イチフナ”。今回は市船OBの中でも、とくに実績を残している5名を紹介する。

鬼木達

1974年4月20日生まれ

1984年に赴任した布啓一郎監督のもと、黄金時代の扉を開いた市立船橋。1990年から1993年にかけて所属した鬼木達は、Jリーグ初年度に鹿島アントラーズへ加入した。

神様ジーコを擁する鹿島はいきなり強豪の道を歩み始め、鬼木のリーグ戦出場は計6シーズンの在籍でわずか27試合。2000年に完全移籍した川崎フロンターレでようやくボランチの主力となっている。

2006年に引退した後は川崎で指導者としてのキャリアを歩み、2017年、トップチーム監督に就任。以降7年間で7つの主要タイトルを獲得し、現在国内屈指の名将と評される。

茶野隆行

1976年11月23日生まれ

選手権決勝戦でハットトリックを記録した伝説のストライカー、森崎嘉之と同期のセンターバック。

森崎、鈴木和裕とともに「市船トリオ」として1995年にジェフユナイテッド市原へ加入すると、1年目から26試合に出場。2003年に就任したイヴィチャ・オシム監督のもとでもレギュラーとなり、2004年4月には日本代表デビューを果たしている。

以降、2005年のコンフェデレーションズカップに参戦するなど7試合に出場。これは市船OBの日本代表最多キャップだ。

茶野は2005年に移籍したジュビロ磐田でも活躍したのち、2011年にジェフユナイテッド千葉で引退。現在は城西国際大学でコーチを務めている。

北嶋秀朗

1978年5月23日生まれ

市船と言えばこの選手を思い出す方もきっと多いだろう。1年次と3年次に選手権優勝。大会通算16得点は7年後に国見の平山相太に破られるまで最多記録だった。

1997年に柏レイソルでプロ入りすると、4年後の2000シーズンにはエースストライカーの証である9番を背負い18ゴールを記録。J1得点ランキングでジュビロ磐田の中山雅史に次ぐ2位に入った。

2003年~2005年に清水エスパルスでプレーした後は再び柏へ戻り、2013年にロアッソ熊本で現役を引退。指導者の道へ進み、2024年からはJFLクリアソン新宿の監督に就任する。

カレン・ロバート

1985年6月7日生まれ

市船は2003年、J1完全優勝を成し遂げたばかりの横浜F・マリノスと天皇杯3回戦で対戦し、1人退場しながら2-2のままPK戦までもつれ込む伝説的な試合を演じた。カレン・ロバートはこの時の主力アタッカーだ。

翌2004年にジュビロ磐田でプロ入り。ロアッソ熊本を経てオランダへ渡り、2011年1月に当時吉田麻也も所属していたVVVフェンロの一員となった。2011-12シーズンから2年間は同チームの10番を背負っている。

以降、タイのスパンブリー、韓国のソウルイーランド、インドのノースイースト・ユナイテッドなどでプレー。38歳となった今も自ら創設した房総ローヴァーズ木更津(千葉県1部)でオーナー兼選手として現役を続けている。

鈴木唯人

2001年10月25日生まれ

最後は鈴木唯人。11月のU-22アルゼンチン戦では後半に同点弾と逆転弾を決めて5-2の勝利に貢献した、パリ五輪世代の10番だ。

市船では3年次に10番を背負い、2020年に清水エスパルスへ加入。推進力のあるドリブルを武器に1年目からJ1で30試合に出場してみせた。

2023年1月にフランス1部のストラスブールへ期限付き移籍するも、ここでは結果を残せず、半年後の7月に清水へ復帰。

群馬サッカーの雄、前橋育英高校!「歴代ベストイレブン」はこれだ

しかし翌月にはデンマーク1部のブレンビーへ旅立ち、今季ここまで11試合に出場、1ゴールを記録している。

© 株式会社ファッションニュース通信社