正月の食材を求めて行列 リニューアルした牧志公設市場、年の瀬も活気 「あい、元気ねー」再会を喜ぶ客と店主

 年の瀬の30日、沖縄県内各地の市場やスーパーでは正月用の食材を求める買い物客でにぎわった。3月にリニューアルした那覇市第一牧志公設市場が「本拠地」に戻って迎える年末は5年ぶり。市場内の各店舗では多くの行列ができた。年越しそばや三枚肉など大量の食材を買うため、手押し車で訪れる人も。「あい、元気ねー」となじみの客と店主が声をかけ合い、再会を喜ぶ場面もあった。(社会部・吉田伸)

 「かねこ蒲鉾店」では年越しそば用の長丸と正月用の赤と白のかまぼこが次々と売れていた。4代目の上原史江さん(63)は「仮設の時に来られなかったお客さんたちが戻ってきてくれて、うれしい」と笑顔で話した。

 「城間田芋店」は店頭に並べたターンム(田芋)が午前中で完売。店頭で「えー、売り切れー」と残念がる人も。3代目の城間淳さん(51)によると、今年は長く滞在した台風6号の影響で収穫量が落ちたという。「お客さんは増えて、注文は倍になっているので申し訳ない」という城間さん。きびすを返す買い物客たちに「来年は予約してねー」と声をかけていた。

 「山城こんぶ屋」は朝から行列ができ、昼過ぎまで続いた。スンシー(タケノコ)やクーブ(昆布)、かんぴょう、干し大根が飛ぶように売れていた。

 夫婦で列に並んだ神谷栄真さん(66)=八重瀬町=は20人分の昆布巻きと千切りイリチーを作るという。「いつもの場所に市場が戻ってうれしい。何も変わらないね」と目を細めた。

 公設市場組合長の粟国智光さん(49)は「旧盆よりお客さんが入っている」と声を弾ませていた。

正月料理の食材を買い求める人でにぎわう那覇市第一牧志公設市場=30日午前(小宮健撮影)

© 株式会社沖縄タイムス社