23年も残りわずか、大分県内で迎春準備進む【大分県】

正月用の食材を吟味する買い物客=30日午後、大分市皆春のCO-OPふらいる
年内最後の競りで活気づいた大分市公設地方卸売市場=30日午前、大分市豊海
年賀状を選別する社員ら=30日午前、大分市府内町
丁寧にそばを延ばす安部建司さん=30日午前、大分市寿町

 2023年も残りわずかとなった30日、県内のスーパーや卸売市場は正月用の食材を買い求める人でにぎわった。郵便局は年賀状の仕分け、そば店は年越しそば作りのピークを迎えた。明るい新年になるよう願いながら迎春準備を急いだ。

■食材じっくり品定め

 大分市皆春のスーパー「CO―OPふらいる」は通常より30分早い午前9時に開店し、多くの買い物客で活気づいた。

 売り場には栗きんとんや黒豆、餅などの食材が用意され、来店客がじっくり品定め。すき焼き用の肉や刺し身の盛り合わせなどが次々と売れていた。

 同店によると、昨年はカニが好評で、品ぞろえを充実させたという。

 近くに住む無職合沢正純さん(73)は食材のほか、正月を彩る花を買い求めた。「孫たちと年末年始をゆっくり過ごしたい」とにこやかに話した。

■今年最後の競り、威勢よく

 大分市豊海の市公設地方卸売市場は午前5時から、水産物の今年最後の競りがあった。正月用のマグロやブリが並び、次々と買い手が決まった。

 開始を知らせるベルを合図に仲買人が魚を囲んだ。笛の音やかけ声が響く中、目当ての魚を手に入れ、トラックに運び込んだ。

 市場関係者によると、この日の取引量は最終日として平年より、やや少なかったという。

 卸売業「大分魚市」の後藤儀一郎専務(60)は「旬を迎えた天然と養殖のブリを家族みんなで味わってほしい」と話した。

 同市場の青果物は29日が競り納めだった。初競りはいずれも来年1月5日。

■年賀状てきぱき仕分け

 県内の郵便局は年賀状の仕分け作業が大詰めを迎えている。

 大分市府内町の大分中央郵便局では社員やアルバイト18人が、ポストから回収した年賀状の選別に当たった。はがきの向きをそろえ、郵便番号を読み取る区分機に投入。配達先の地域や局管内の世帯ごとに分けた。

 25日以降、同郵便局は24時間態勢でフル稼働している。元日に約105万枚を配達する予定。

 三山輝(あきら)郵便部長(52)は「てきぱきと作業を進め、気持ちがこもった一通一通の年賀状を確実に届けたい」と話した。

■そば作り、願いを込めながら

 大分市寿町の「蕎麦(そば)KEN」は、店主の安部建司さん(63)と家族3人が年越しそばの準備に追われていた。1年の中で最も忙しく、午前3時から取りかかった。31日までの2日間で約350食を用意する。

 豊後高田市産のソバの実を石臼でひいた後、粉を黙々とこね、のし棒を使って延ばした。手先に集中し、均等に切り分けた。

 作業は31日の昼前まで、ほぼ休憩なしで続けるという。安部さんは「年に1度の縁起物。皆さんに福を与えられるよう、願いを込めながら一生懸命作る」と話した。

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