2023年も多くのレースで盛り上がりをみせたF1世界選手権。今回は参戦10チームのなかでシーズン中に繰り広げられたチームメイト対決を振り返る。最終回はフェラーリ、メルセデス、レッドブルの上位3チームだ。
■フェラーリ：ほぼ同率もルクレールがわずかに先行
2023年もシャルル・ルクレールとカルロス・サインツのコンビで王者奪還を目指したフェラーリは、レッドブルの全勝を止める活躍をみせたが、最終的なコンストラクターズランキングは3位となった。
フェラーリはどうしてもルクレールがナンバーワン、サインツがナンバーツーと思われがちだが、2023年の成績を振り返ると、ふたりの差はほぼないと言っていいほどの僅差だ。ふたりに差があるとすれば予選での成績で、この部分ではルクレールがサインツを15回上回っている。
また、表彰台獲得回数もルクレールの6回に対しサインツは3回と半分だが、入賞回数はサインツが上回った。さらに、先述したレッドブルの全勝を止めたのは第16戦シンガポールGPでのサインツであり、この部分は評価が高いポイントだろう。
●フェラーリ 2023年チームメイト対決結果
比較項目：シャルル・ルクレール／カルロス・サインツ
最上位グリッド：1番手／1番手
予選でチームメイトを上回った回数：15回／7回
決勝最高位：2位／1位
決勝でチームメイトを上回った回数：11回／9回
入賞回数：16回／18回
表彰台獲得回数：6回／3回
獲得ポイント：206点／200点
リタイア回数：3回（1DNS）／2回（1DNS）
ドライバーズランキング：5位／7位
■メルセデス：ハミルトンがベテランの貫禄をみせる
2022年の車両規定変更以降、ゼロサイドポッドのマシン開発に失敗し苦戦を強いられているメルセデス。2023年はシーズン途中でマシンコンセプトを変更して戦力を上げ、コンストラクターズランキングは2位となった。
ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルのチームメイト対決では、7度のチャンピオンを獲得しているハミルトンの安定感が光る。第12戦ハンガリーGPで1年半ぶりのポールポジションを奪い、優勝こそできなかったが6回の表彰台で通算234ポイントを得ている。
一方のラッセルは予選こそハミルトンと同率だが、決勝では後塵を拝し、表彰台2回の通算175ポイントでシーズンを終えた。また、リタイア回数ではハミルトンの1回に対してラッセルは4回と多く、特に2位を争っていながらクラッシュに終わったラスベガスGPの最終ラップは大きな痛手だった。
●メルセデス 2023年チームメイト対決結果
比較項目：ルイス・ハミルトン／ジョージ・ラッセル
最上位グリッド：1番手／2番手
予選でチームメイトを上回った回数：11回／11回
決勝最高位：2位／3位
決勝でチームメイトを上回った回数：15回／7回
入賞回数：20回／17回
表彰台獲得回数：6回／2回
獲得ポイント：234点／175点
リタイア回数：1回／4回
ドライバーズランキング：3位／8位
■レッドブル：フェルスタッペン圧勝の一言
2023年シーズンは22戦21勝という大記録を打ち立てたレッドブル。チームメイト対決では王者マックス・フェルスタッペンがセルジオ・ペレスを圧倒し、予選決勝ともに20対2という凄まじい成績を残した。
表彰台獲得回数もフェルスタッペンの21回に対し、ペレスは9回に留まる。ドライバーズランキングではレッドブルとしてワン・ツーを得たものの、フェルスタッペンが575ポイント、ペレスが285ポイントで、両者には実にペレスひとりぶんの得点に近い290点差がある。
また、フェルスタッペンの凄さは2023年のF1にフル参戦したドライバーのなかで、唯一リタイアを経験していないことだ。同じマシンを駆るペレスは2度リタイアをしており、フェルスタッペンはマシントラブルに見舞われない運の良さに加え、アクシデントを起こさない／巻き込まれないという冷静な戦い方をみせつけた。
●レッドブル 2023年チームメイト対決結果
比較項目：マックス・フェルスタッペン／セルジオ・ペレス
最上位グリッド：1番手／1番手
予選でチームメイトを上回った回数：20回／2回
決勝最高位：1位／1位
決勝でチームメイトを上回った回数：20回／2回
入賞回数：22回／19回
表彰台獲得回数：21回／9回
獲得ポイント：575点／285点
リタイア回数：0回／2回
ドライバーズランキング：1位／2位
