首相、1月の南米訪問見送り検討 自民党裏金問題、外交に影響

岸田首相=26日、東京都内

 岸田文雄首相は、2024年1月に予定していたブラジルなど南米歴訪を見送る方向で検討に入った。自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題で揺らいだ政権基盤の立て直しに注力すべきだとの判断に傾いた。政府関係者が12月31日、明らかにした。24年は台湾総統選や米大統領選が予定され、国際社会が大きく変動する可能性をはらむ。首相の外交手腕が試されるが、政権不祥事が外交にも影響した形だ。

 裏金問題は政権中枢を担った自民議員が捜査当局の聴取を受ける深刻な事態に発展。首相は24年1月にも党の新組織を設け、改革論議を進める方針だ。党が混迷する中、長期間国内を離れれば、批判を招く恐れもあった。

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