派閥裏金、混迷続く政権 首相、総裁選・解散へ難路

5月、東京都内での自民党安倍派の政治資金パーティーで壇上に並ぶ、(左から)高木毅国対委員長、世耕弘成参院幹事長、萩生田光一政調会長、(2人おいて)西村康稔経済産業相、松野博一官房長官=肩書は当時

 2024年の政局は、自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題による岸田政権の混迷の中で幕を開ける。岸田文雄首相は党の新組織での改革議論を主導する構えだが、政治不信の払拭は容易でない。焦点は24年度予算成立や統一補欠選挙が絡む春。野党の攻勢は必至で、首相に退陣リスクがちらつく。衆院解散権を行使できるか否かも注目だ。9月の党総裁再選の目標まで難路が続く。

 東京地検特捜部は昨年12月、安倍派、二階派事務所の家宅捜索や松野博一前官房長官ら安倍派幹部の任意聴取に踏み切った。内閣支持率は自民の政権復帰後で最低水準にあえぐ。党の新組織の改革議論は、政治資金規正法の改正や派閥の在り方にどこまで切り込むかが論点になる。野党は法改正などを要求するとみられ、温度差がある自民内をまとめられるのか首相の試金石となりそうだ。

 通常国会召集は今月22日か26日で調整する。政治改革を中心に論戦が繰り広げられる見通しだ。

 政局はまず春にヤマ場を迎える。首相は3月上旬にも米国を国賓待遇で訪れ、3月中に1人4万円定額減税の税法改正と24年度予算の成立を図る。

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