編集部が遊んだゲーム特別編!Gamer編集部スタッフが2023年に一番ハマったタイトルを紹介【年末企画】

■TOKEN:「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」

年々仕事に気力を吸われるようになって、なかなかゲームに費やす時間が減ってきました。昨年もそうでしたが、徐々に顕著になってきた印象があります。

そんな中、細々と進めてきたのがスマートフォンゲームです。どちらかと言うと日々のルーチンワークになるのですが、目的がはっきりとしているだけ、日常に組み込みやすいというメリットがあるんですよね。今年もいくつかのタイトルを並行して進めていました。

2023年のタイトルもいくつか触れてはみたものの、それらを差し置いてでも今年の1本に選んだのが「ブルーアーカイブ -Blue Archive-(以下、ブルアカ)」です。今年の躍進は目覚ましいものがありますが、筆者も多分に漏れず、作品が持つ魅力に一気に惹き込まれてきました。

実は2022年時点からプレイは始めていたのですが、進めていくうえで育成がしやすいというのは大きな魅力のひとつです。毎日コツコツと進めていけば素材は潤沢に集まりますし、育成する生徒(※「ブルアカ」のキャラクターの呼称)を明確に決めておけば、ある程度まではサクサクと攻略できると思います。

そして、何よりも描かれるストーリーが胸にグサグサと来ます。本作ではメインとなるストーリーと、生徒ごとのエピソードが用意されていますが、その生徒のことを知れば知るほど、メインのストーリーでその生徒がどのように考えているかに気持ちが揺さぶられるのです。

冒頭で触れたのと同様の理由で、最近は小説などのテキストコンテンツを読むことも少し億劫になっている部分があったのですが、「ブルアカ」はそこに息づいているキャラクターの魅力と、そうしたキャラクターたちが活躍しつつも謎の深い世界観に惹き込まれるストーリーが魅力的です。今は少しバタバタしてストーリーは止めているのですが、年末年始を使って読み進める所存です。

(C) NEXON Games Co., Ltd. & Yostar, Inc. All Rights Reserved.

■つなよし:「SANABI」

今年一番ハマったというか、やられたなという作品は「SANABI」です。サナビではなくサンナビと読みます。本作は伝説と言われる退役軍人、そして一児の父でもある男が主人公の2Dアクションゲームです。

ゲームの流れとしては、ワイヤーアクションでステージクリアを目指して先へ進み、合間合間にストーリーが挟まるというシンプルな構成。難しい部分もありますが、基本的にはカジュアルより。難易度設定も変更できます。

アクションゲームとしても楽しく、爽快感のある遊びを堪能できます。ぬるぬる動く表情豊かなピクセルアートも素晴らしく、背景も思わず声がでてしまうほど美麗ですが、本作の魅力はそこだけではありません。

この作品は、「とにかく物語が良い」の一言に尽きます。それゆえに多くは語れず、というより、何の情報にも触れずに遊んで欲しいな、という気持ちでいっぱいです。

私はこのゲームをクリアしたあと、すぐにストリーマーの配信を漁りまくりました。他者の反応が見たくて仕方がなかったのです。なんなら本作が産まれた韓国の方のストリーマーも見にいきました。韓国語はまったくわからないのですが、飢えに飢えていました。

そしてその感覚はどうやら韓国の方も同じだったようで、日本のストリーマーたちの配信に、あきらかに「SANABI」を見るために来たであろう韓国ユーザーのコメントがワッと寄せられていたのです。

そんなわけで、物語が良い作品ではあるのですが、本作には1点だけ、序盤は許容できる程度だったローカライズの質が中盤以降でかなりイマイチになってしまうという、大きな欠点がありました。

物語が推せるのにローカライズに難ありというのは致命的だと感じますが、逆にいえばそれだけの欠点を抱えながらも「良かった」と言える作品なのが化け物じみています。そうはいってもかなりもったいないと感じたのは事実。しかし嬉しいことに、このローカライズは改善されることがアナウンスされています。これで心置きなく布教できるぞ!やったー!

で、そのタイトルにもなっている「サンナビ」って何なのさ、という疑問が思い浮かぶ方もいるかと思うのですが、それを探るのが本作のテーマの1つになっています。年末年始のお休み期間、ぜひ「サンナビ」を探す旅に出てみてくださいませ。

Developed by WonderPotion Co, Ltd. Published by NEOWIZ. SANABI logos are trademarks of NEOWIZ, registered in the Republic of Korea and other countries. SANABI is a trademark of NEOWIZ. and may be registered in the Republic of Korea and other countries. All other marks and trademarks are the property of their respective owners. All rights reserved.

■ロック:「Marvel's Spider-Man 2」

2023年は、「ファイナルファンタジーXVI」や「ホグワーツ・レガシー」、「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」、「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」などなど、パッと思いつくタイトルを並べるだけでも豊作で、クオリティの高いゲームが好物の私としては最高の1年でした。どれもハマったと言えるので、1つに絞るのはとても難しいのですが……質の高さと安定感、新鮮さを兼ね備えていると感じたのは「Marvel's Spider-Man 2」です。プレイレポートを書かせていただいたので、思い入れが強いというのも確実にありますが(笑)。

前作「Marvel's Spider-Man」は、シリーズ1作目にもかかわらず、“スパイダーマンのゲーム”として到達点に近い、洗練された出来でした。そういう意味で、本作にかかる期待とプレッシャーは計り知れないほど大きかったと思うのですが、乗り越えるどころか軽々飛び越えてしまいましたね。

ピーターとマイルズ、2人のスパイダーマンを操作できるのも良かったのですが、特筆すべき点は、やはりウェブ・ウィングと爆速ファストトラベルでしょうか。何よりこの2つが、既存の移動方法かつスパイダーマンの代名詞でもあるウェブ・スイングの魅力を削ぐことなく、新たな魅力として実装されていたのが、最も評価したい点です。ウィングとスイング、ファストトラベルを組み合わせた、“快適”を超えた究極の移動アクションは、間違いなくシリーズ随一の楽しさでした。

また、プレイレポートでも軽く触れたのですが、ピーターやマイルズ、そして彼らを支える大人たちのヒューマンドラマも最高でしたね。特に、メイおばさんがとあるシーンでピーターに説いた“バランス”に関する人生の教え(詳しくは本編をぜひ!)は、ヒーローだけでなく、私たちにも響くものがありました。

「Marvel's Spider-Man」シリーズはまだ先の展開もありそうですが、今後も根幹の良さは損なわずに進化し続けていってくれることでしょう!

(C) 2023 MARVEL
(C) 2023 Sony Interactive Entertainment LLC. Developed by Insomniac Games, Inc.

■ハマダ:「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」

プレイ時間などで考えるとハマったというニュアンスとは若干ズレてる感もありますが、今年遊んだ中で特に印象に残っているのは「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」です。

昨今のトレンド的に文章を読ませるアドベンチャーゲームを取り巻く状況は結構厳しいと言わざるをえない中で登場した完全新作タイトルですが、ゲームならではの物語体験の面白さを再認識させられた作品でした。

ジャンルとしてはホラーミステリーとなっており、昭和後期の東京都墨田区を舞台に、本所七不思議という怪談を題材にした「蘇りの秘術」を巡る物語が描かれます。印象的だったのは、実在する民間伝承が題材だったり、墨田区が舞台という設定によって、呪いというオカルト要素を扱いつつも、リアル感が絶妙に演出されていた点ですね。

これには小林元氏によるキャラクターデザインが変にゲームゲームといった感じの突飛なものにならず、レトロさが感じられる作品のテイストを見事に表現していたのが大きかったと思います。

また、新規IPなのにまるでシリーズものかのように広がる世界観や作中に登場するキャラクターの背景が感じられたのも私を含め、プレイしたユーザーたちを引き込んでいった要因なのではないでしょうか。

そして個人的にえらい(凄い)と思ったのが、この価格帯で発売されたこと。リアルな話をしてしまうと予算的な要因が大きいとは思うのですが、この価格帯だからこそ人に勧めやすいというのは間違いなくあったと思います。

個人的にどれだけ好きな作品でも万人受けするかは別の話なので、フルプライス作品だとリアルな友人に強く勧めるのって何気に難しいと思うんですよね。そんな中でこの価格帯かつクオリティの作品だと気軽におすすめできますし、SNSなんかでも話題にしやすく、時代に合った作品になったのかなと。

ボリュームや内容的にもプレイを始めると一気にプレイしてしまいたくなる作品なので、まだ遊んでいない人は年末年始の休暇中にぜひプレイしてもらえればと思います。

(C) SQUARE ENIX

■げっしー:「ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~」

2023年は仕事とプライベート含めて数多くのコンシューマー・スマホ向けタイトルに触れる機会がありました。「東京ゲームショウ2023」や「G-STAR 2023」などにも行き、その年に発売されたタイトルはもちろん、2024年、それ以降の発売・サービス開始のゲームにも触れることができ、期待の高まるタイトルも多く生まれました。

その中で自分が2023年で印象に残っているタイトルを挙げるとなると、「ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~」(以下、「ライザ3」)は外せないなと思いました。先行プレイレポートも担当しましたが、その時からいい意味で「同じ『秘密』シリーズなのか?」と思うほど、システム面がパワーアップしており、楽しみなタイトルとなっていました。

もともと「アトリエ」シリーズ自体、ずっと気になっていたタイトルでもあったことから、「ライザ3」に向けてプレイし始めようということで、「秘密」シリーズから遊び始めました。そのため、ストーリーなども鮮明な記憶を持ったまま「ライザ3」に臨むことができたのですが、主人公・ライザたちの“最後の夏”が描かれるということで、寂しい気持ちもありました。

ただ最後ということもあり、これまで描かれてきたキャラクター個々の物語もそれぞれで描かれており、非常に満足のいく内容となっていました。中でも、「秘密」シリーズをプレイしていく中で、どんどん好きになっていったボオスのストーリーはとても印象的で、感動してしまいました。

先に触れたシステム面に関しても、戦闘・探索・調合など、パワーアップしており、プレイしやすくなっていたため、「これならいくらでも遊び続けられる!」と思ってしまうほどでした。

また、シリーズを通して個人的に注目していた音楽面に関しても、戦闘中に流れた「夏暁」が非常に印象的で、今でも日常的に聞いているレベルでお気に入りの楽曲です。

クリアした時の満足感はもちろんですが、これで彼女たちの物語が終わってしまうのかという喪失感も大きく、今でも心にぽっかりと穴が開いたような感覚は続いています。

シリーズ作品のため、以前の「秘密」シリーズをプレイしていないと楽しめないのでは…と思うかもしれませんが、「ライザ3」では過去の出来事、ストーリーを振り返れる機能もあるので、今作からプレイし始めるという人にも優しい設計となっています。まだプレイしていないという人がいれば、今からでもオススメできるタイトルとなっているので、ぜひ遊んでみてほしいです。

(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.

■ザキ:「ニュースの時間です G」

2023年に一番ハマったゲームを挙げる企画ということで、アナログゲーム好きの私が選んだ一本は「ニュースの時間です G」。2022年に発売された作品ですが、注目作ゆえの品薄続きや自分のお財布事情などが重なり、今年春のゲームマーケットでようやく購入できた作品です。

このゲームを一言で表すなら、ありきたりではありますが「笑ってはいけないニュース番組」。ニュースキャスター役のプレイヤーは笑わずに原稿を読み進めること、AD役のプレイヤーはニュースキャスター役が思わず笑ってしまう原稿を作ることが、このゲームの目的となります。

このような内容は大喜利系パーティーゲーム的にはあるあるですが、本作の場合は“ニュース原稿”の存在が独特の笑いを生み出すエッセンスになっています。「ニュースの時間です G」には50本の原稿が収録されており、その内容は「郵便局に男が押し入った」「遺跡が発見された」などのお堅めのネタから、「新しく始まる戦隊物ヒーローのテーマ」「週末血液型占いのコーナー」などのエンタメ系のネタまでさまざま。この原稿の中にある空欄を、複数人いるAD役が各々のセンスを活かして埋めていきます。

この穴埋め作業が、本作の難しいところであり面白いところです。基本的にAD同士がどういったワードを入れているかが共有できないので、ニュースキャスター役が読み上げるまで誰も完成形を知ることができません。そのため、安易なネタは被ってしまう可能性があるし、奇抜すぎるネタは浮いてしまうし……と、たった1ワードを考えるために結構悩んでしまうのです。

原稿のお披露目タイムでは、読み手であるニュースキャスター役も書き手であるAD役もドキドキ。渾身のネタが前後のワードとかみ合わず不発に終わったり、逆にヤケになって書いたワードが思わぬ展開を生み出したりと、どのプレイヤーも(いい意味で)気が気ではありません。

ルールが簡単で笑いを生み出しやすいゲームということもあり、今年1年間で行ったアナログゲーム布教活動では非常に重宝しました。しかも「なんやかんやで一番遊びやすい」ということで、アナログゲーム初心者のみならず、普段から遊び慣れているボードゲーマーともリピートして遊ぶ確率が高かったように思います。

ちなみに、私が今年遊んだ中でのMVPは「天下の奇祭・おじさん祭り」。無実の罪を被った裸のおじさんたちがおにぎりを奪い合う、地獄のような祭りが生まれてしまいました。年始の初笑いを狙うのにもピッタリな作品だと思うので、2024年の「アナログゲーム初め」に遊んでみてはいかがでしょうか。

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