世界平和願い 木の千羽鶴 院庄林業 平和記念公園などに献納

木の“折り紙”と折り鶴

 ウクライナやパレスチナで戦火が絶えない中、製材メーカーの院庄林業(津山市二宮)は、世界平和を願い、薄くスライスした木で折り鶴を作っている。取引先や地元小学生らにも協力してもらい、千羽鶴として広島市の平和記念公園などに供えている。

 木の“折り紙”は、同社が仕入れたウクライナ産のアカマツを愛媛県の協力業者で厚さ0.15ミリにスライスし、15センチ角で折っても切れないように加工してある。木目や爽やかな森の香りも残る。

 折り鶴は、同社が製材の原料となる板材の一部をウクライナから調達している縁で2月に作り始めた。従業員だけでなく、来社した国内外の取引先や、木の大切さを伝える「木育」の出前授業で訪れた小学校の児童や先生らにも折ってもらっている。

 これまでに2千羽を作製。千羽鶴としてつなげ、11月23日に広島市の平和記念公園、12月8日に太平洋戦争末期の沖縄戦で多くの島民が集団自決した沖縄県・渡嘉敷島の慰霊碑に献納した。今後も千羽そろうたびに供えに行く。

 折り方を教えている同社の柿元智香さん(40)は「世界で起こっている争いに関心を持ち、平和について考えるきっかけにしてもらいたい」と話している。

鶴の折り方を教える柿元さん(左)

© 株式会社山陽新聞社