「ゆうちょアイデア貯金箱コンクール」、佐伯東小の永井さんに文部科学大臣賞【大分県】

各学年1人に贈られる文部科学大臣賞を受賞した永井愛子さん=佐伯市佐伯東小
文部科学大臣賞に輝いた永井愛子さんの作品「おばあちゃんの金物店」

 【佐伯】全国の小学生から手作り貯金箱を募集する「第48回ゆうちょアイデア貯金箱コンクール」で、佐伯市佐伯東小6年の永井愛子さん(12)の「おばあちゃんの金物店」が各学年1人に贈られる最高賞の文部科学大臣賞に輝いた。亡くなった祖母が営んでいた店を再現した作品。永井さんは「応募できる最後の年だったのでうれしくてたまらない」と喜んでいる。

 コンクールは全国の小学生を対象に毎年行われており、本年度は48万4757点の応募があった。永井さんは小学3年で初出品し、すてきなデザイン・アイデア賞を受賞。さらに上を目指して出品を続け、今年が最後の挑戦だった。

 作品のテーマは7月下旬に自宅の掃除をしていた際、祖母の店を描いたスケッチを見つけたことがきっかけで決めた。夏休み中に毎日5時間ほどかけ、こつこつと作り続けた。

 粘土や、そうめんの木箱、つまようじなど身近な材料を加工し、店の外観や内部はもちろん、商品などの小物も細部まで緻密に製作。「渋めで昔のイメージ」となるよう絵の具で納得のいく色を作り、丁寧に塗装した。

 最もこだわったのが貯金箱機能。硬貨が通過すると通電し、祖母が実際に使っていたレジの「チーン」という音が響く。自分の声を録音して「ありがとうございました」と流れるようにもした。

 「父に店の様子を教えてもらいながら作業した。少しずつ形になっていくたび『こんなんだったんだ』と感じ、作っている時が一番楽しかった」と永井さん。「一生の宝物で大切な思い出になる。優しかったおばあちゃんに報告したい」とほほ笑んだ。

 永井さんの作品を含む入賞作品は全国6カ所で巡回展示される。九州では来年1月12日から3日間、イオンモール福岡(福岡県粕屋町)である。

© 有限会社大分合同新聞社