星稜PK戦制し16強 全国高校サッカー

  ●5年ぶり初戦突破 南殊勲の同点弾  

 第102回全国高校サッカー選手権(31日・千葉県市原市のゼットエーオリプリスタジアム)石川代表の星稜は初戦の2回戦(40分ハーフ)で三重代表の四日市中央工と対戦し、1-1からのPK戦を3-0で制して16強入りした。河合伸幸監督が「PK職人」と信頼を置くGK佐藤竣基が2本を止め、勝利を引き寄せた。星稜の初戦突破は5年ぶり。

 星稜は後半10分、オウンゴールで失点したものの、23分にツエーゲン金沢U15出身の南慶士郎がスルーパスに抜け出し、右足でゴール左下へ流し込んで追いついた。交代出場から7分後の一撃だった。

 その後は得点が生まれずPK戦へ。先行の星稜は倉畑鉄将、井田佳佑、南が連続で成功したのに対し、四日市中央工は3人が失敗して勝負がついた。

  ●河合監督が初勝利

 就任5年目の河合監督は全国選手権4度目の挑戦となった。前回まで3年連続で初戦敗退。試合直後は待望の1勝に感極まった様子で「選手が良くやってくれた」と声を震わせた。

 星稜は2日の3回戦でベスト8を懸けて市立船橋(千葉)と対戦する。

  ●「職人」佐藤止めた 「自信あった」

 後半終了間際、河合監督はPK戦をにらみ、スタメンで奮闘していた背番号1・橋本育磨に代え、控えのキーパー背番号17・佐藤を投入した。

 10月の県予選準決勝・遊学館戦は延長後半に出場し、PK戦で2本を止めて勝利を呼び込んだ佐藤。全国の大舞台でも「PK職人」は健在だった。右下隅の1本目をセーブし、2本目はキッカーが枠を外した。止めれば勝利となる3本目は完全にコースを読み、左下の枠内にきたボールを横っ飛びではじき出した。

 身長181センチ。ヒーローインタビューでは浮かれることなく、冷静かつひょうひょうと勝負を振り返った。「2本ぐらい止められるかなと思っていた。自信があったので、緊張はあまりしなかったです」。指揮官、チームメート、スタンド応援の期待に応えるビッグセーブだった。

© 株式会社北國新聞社