「僕が見たかった青空」宮腰友里亜さんがつかんだ夢の世界 福井県出身、2024年は「輝き」増す1年へ

宮腰友里亜さん=東京都世田谷区太子堂1丁目の昭和女子大学

 2023年4月、都内某所。アイドルグループ「乃木坂46」の公式ライバル「僕が見たかった青空(僕青)」のオーディション合格者が一人ずつ読み上げられた。

「宮腰友里亜さん」

アイドル人生の幕が上がった。

 「テレビに映るアイドルがキラキラしていた」。幼稚園のころからアイドルになることが夢だった。学生時代はみんなの前に立ちたい思いはあったが、「人見知りが発動しました。失敗したらどうしようって」。ステージに立つことはなく、オーディションを受ける機会もなかった。

 夢を諦めそうになっていた時、見つけたのが僕青のオーディション。「最後のチャンス」。迷わず応募し、3万5678人の中から夢をつかみ取った。名前を呼ばれた瞬間は「えっ、呼ばれた? みたいな感じになって。家に帰るまで受かったかどうか分からないみたいな、不思議な気持ちだった」

 見ていた側から見られる側へ。8月末にデビューし、音楽番組やイベント、CMなどに次々と出演。「アイドルになって見る世界が360度変わりました。あっ、360度だと元に戻ってしまいますか…。言葉では言い表すことができないけど、180度変わりました。なりたかったアイドルになれて、充実した毎日を送れてすごい幸せだな、と」。初々しい笑みがこぼれた。

 座右の銘は「昨日の自分を超える」。歌もダンスも未経験でアイドルの世界に飛び込んだ。特にダンスが苦手で、他のメンバーと比べて自信をなくしてしまうこともあるが「指先一つ一つの動きや表情などを研究しています」と努力は惜しまない。ライブでは、キュートな笑顔でファンの声援に応える。人見知りが発動することは、もうない。「自信がついてきたからかな。ファンの皆さんのおかげです」。むしろ、もっと自分を見てほしいと思えるようになった。

 18年間過ごした福井のことは大好きだ。「自然がすごく好き。滝とか星空とか、東京では味わうことができない。食べ物もおいしいじゃないですか」。福井愛があふれ出す。毎年、家族で田植えをするのが恒例だったといい「泥やカエルも全然大丈夫。田植えアイドルですね」と笑った。

 特技は習字。「得意というか書くのが好き」。オーディションの最終審査の自己PRでも披露した。せっかくなので、2024年の目標を書いてもらった。力強くしたためた文字は「輝」。ずっと見たかったアイドルの世界で、輝きを増す一年に―。

 「皆さんの原動力に少しでもなれれば。幸せな気持ちになってくれたらいいなって思います」

みやこし・ゆりあ 2004年生まれ、福井県出身。ニックネームは「ゆり坊」。家族でよく訪れた坂井市の名勝東尋坊からとったという。新曲「卒業まで」(1月31日発売)では選抜メンバー入り。パーソナルカラーはブルべ冬。特技は習字と生け花、趣味は映画鑑賞。

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