岸田総理「強く覚悟決めている」政治とカネ問題 信頼回復に向けて  新春インタビュー

岸田総理は新年の意気込みを聞くRCCのインタビューに応じました。この中で政治とカネの問題について「今年は強く覚悟を決めて取り組まなければならない」と決意を語りました。

■広島サミット 国際社会が一致協力する拠り所を確認する重要な会議だった■
Q去年5月の広島サミットの成果をどのように、ことしにつなげるか
《岸田総理》
いま、国際秩序、ロシアによるウクライナ侵略をはじめ、大きな動きの中で、対立あるいは分断が進んでいる。G7広島サミットの成果、これは核軍縮不拡散はもちろんですし、AIをはじめですね、さらには経済安全保障など様々な成果があった重要な会議であったと思いますが、その中にあっても特に分断、対立が進む国際社会の中で、私たちはやはり何かまた再びよって立つものをしっかり確認をして拠り所とする考え方、これをしっかりと確認して再び協調して、この気候変動をはじめ地球規模の課題にも向き合っていかなければならない。こうした再び国際社会が一致して協力する拠り所を確認する、こういった意味で重要な会議だったと思います。

《岸田総理》
拠り所すなわち、やはり法の支配、国際法をはじめとする法の支配に基づいて自由で開かれた国際秩序を考えていく。法の支配ではなくて力によって一方的に現状変更を試みるこういった動きがあるけれど、そういったことが世界のどこであっても許してはならない。こういったことについてG7のみならず、インドやブラジルやインドネシア、そしてウクライナのトップも広島に集まってくれた、そして同じテーブルを囲んで今言った考え方に基づいて協力すべきことは協力すべきだということを確認した、このことは大変大きな意義があったと思います。

これに加えて気候変動であったりAIであったり経済安全保障であったりエネルギーであったり、こういった課題に向けて国際社会が協力をする、こういった点も確認できた。本当に歴史に残る幅広い意義あるサミットであったと思っています。

■現実は厳しい、しかし理想はあきらめてはいけない■
Qライフワークとする「核兵器のない世界」の進捗状況は
《岸田総理》
これはですね、ロシアによる核兵器による威嚇とか、北朝鮮による核開発ですとか、現実は本当に厳しいものがあると思います。しかしだからこそ、今こそ再び機運を盛り上げるこういった行動を起こさなければならない。こうしたことだという思いでG7サミットにも臨みましたし、その後の国連総会をはじめ様々な機会で核兵器のない世界というものを強調している、これが現状だと思っています。

Q政府の取り組みが物足りないという被爆者団体や核兵器禁止条約推進派からの声に対してどう理解を求める
《岸田総理》
これはまず私たちの周りで現実、核が開発されている、北朝鮮による核やミサイルの開発が続けられている、そして世界を見た場合に、核による威嚇も行われている。この現実に対してやはり国民の命や暮らしを本当に責任をもって守れるのか、こういった課題に政治は真剣に向き合って、そして責任を果たしていかなければならない、これは厳しい現実だと思います。

しかし同時に未来に向けて核兵器のない世界を目指す理想、これは決してあきらめてはならないと思います。この現実(への対処)と理想(を求め続けること)、決して矛盾するものではありません。政治の役割はですね、現実と理想をどう結び付けるのか、現実を理想にどのように導いていくのか、このロードマップをしっかりと示すということが政治の大きな責任だと思います。

私もNPT運用検討会議に日本の総理大臣として初めて出席しましたが、その際にヒロシマアクションプランというものを明らかにいたしました。これをぜひしっかりと実践していくことで道筋を示していく、こういった責任を果たしていきたいと思っています。

■経済対策不評も…「成果示すことで理解得たい」■
Q内閣支持率低下が続いている。政治をどう前に進めるか
《岸田総理》
世論調査の結果等については厳しい声は謙虚に受け止めたいと思います、しかし政治は結果ですので、経済対策についても昨年、総合経済対策、日本の国が30年間続いたデフレの悪循環から脱却するために必要な政策、これを厳選して議論を行い、そして決定をした、こういった対策を用意しました。

ぜひこの対策、裏付けとなる補正予算も成立をさせ、そしてさらには、令和6年度の予算も編成を行いました。こうした成果をしっかり示すことで国民の皆さんに政策についてもご理解いただきたいと思います。そしてそれ以外にも社会、あるいは外交、様々な分野において先送りできない課題にしっかりと、責任を果たしていく、そして結果を出していく。このことで国民の皆様のこうした政府の取り組みについての理解を得ていく、これに尽きると思っています。

■“政治とカネ”信頼回復に向けて「強く覚悟」■

《岸田総理》
しかしそれにつけても昨今、この政治とカネの問題。政治の信頼が揺らいでいる。このことは深刻に受け止めなければならないと思います。政策の実行は国民の皆さんの信頼、あるいは政治の安定があったればこそだと思います。

だからこそ、いま言ったように政策において結果を出すためにも政治の信頼回復に向けて私自身、自民党の総裁、トップとして先頭に立って今年は取り組まなければならない、強く覚悟を決めています。

(聞き手 RCC東京支社 大平洋)収録は去年12月21日 総理官邸にて

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