衛星使った水道管漏水調査、効率化に成果 盛岡市、コスト大幅減

人工衛星による都南周辺の調査結果。青丸が漏水の可能性エリア(ジャパン・トゥエンティワン提供)

 盛岡市は地中の水道管の漏水を調べる2023年度の実証実験を終えた。総延長の44%に当たる715キロを調べて可能性のあるエリアを絞り込み、3カ月の現地調査を経て28カ所の漏水を確認した。従来の調査より効率的で、大幅なコスト削減が可能に。24年度は残るエリアで進め、精度を検証しながら本格運用を探っていく。

 玉山地区全域(延長163.4キロ)と都南、太田を中心とした盛岡地区(同551.6キロ)で6~9月に実施した。人工衛星からの電磁波照射や人工知能(AI)による画像解析を進めた結果、半径100メートルの213エリア(延長104キロ)で漏水の可能性があると判明。9~11月に現地調査を行い、28カ所を特定した。

 市によると、現地調査が基本の従来方式は市全体(1625キロ)を調べるのに約3年要したが、実証実験では現地調査を含めて6カ月ほどで全体の44%を終了。調査コストは従来の1キロ当たり4万8千円に対し、新方式は2万1千円と60%近い削減効果を見込める。

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