作新、昇竜のごとく 連続センバツの吉報待つ

 今春の第96回選抜高校野球大会出場校が26日、決定する。昨秋は県大会を連覇し、7年ぶりの関東制覇、そして県勢初の神宮大会準優勝と快進撃を続けた作新学院。「次は日本一」と決意を新たに、2年連続の吉報を心待ちにしている。

 2011年から10大会連続で夏の甲子園に出場したが、ここ2年は出場を逃している。先輩たちとともに悔しさを味わった小森一誠(こもりいっせい)主将も「どれだけ個々の能力が高くても勝負は別」と言う。しかしその強い危機感が原動力となり、新チームはより一体感を強めて戦ってきた。

 売りは安定感があるバッテリー。昨秋9試合に登板し、59回で防御率1.07の本格派右腕・小川哲平(おがわてっぺい)を軸に、キレのあるスライダーを武器とする右横手の石毛虹晴(いしげこうせい)ら多彩な投手がそろう。リードする捕手の岩出純(いわいでじゅん)は投手の特長を生かした配球が光り、「バッテリーがチームの支えになっていた」と小針崇宏(こばりたかひろ)監督は評価する。

 打線は勝負強く、神宮大会準決勝の関東一(東京)戦では終盤に最大4点差を逆転した。

 課題は守備。昨秋の3大会で12失策を重ね、指揮官は「もう少し守ってやれれば投手も楽だったはず」と指摘する。選抜大会からは新基準の低反発バットに完全移行。飛距離低下が予想され、打撃精度の向上も急務だ。

 「全員がレギュラーを取るつもりで冬を過ごしてほしい」と小針監督。我慢の冬を乗り越え、春に大輪の花を咲かせてみせる。

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