ゲームセンターからめっきり足が遠のいた、その理由を考えてみた【年末年始企画】

ライターの胃の上心臓と申します。年末年始に自由なテーマで1記事書いてほしいと伺い、Gamerさんで初めてこういった企画に参加することになりました。

今回、自分がテーマとして語りたいのは「ゲームセンター」。「機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T.」をきっかけに20年近く前から通っていた場所なのですが、最近ではめっきり足を運ばなくなってしまいました。今回はその理由を考察したいと思います。

特定のタイトルを貶したり、ゲームセンターの存在そのものを否定していたりするわけではないので、その点だけ承知いただければ幸いです。

■もうそんな歳ではないのかもしれない

10代から20代の頃はそれこそ毎日に近い頻度で通っていましたが、年齢を重ねるにつれてどんどん頻度が落ちていきました。それも、やりたいゲームがあるにも関わらずです。その理由を考えた時に、もうゲームセンターは自分のような者が通う場所ではないことに気づきました。

筆者は「機動戦士ガンダム VS.(バーサス)」シリーズが好きなので、ゲームセンターへ行くことができたら現行の「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 オーバーブースト」を楽しんでいます。楽しめているということはゲーム自体にあまり文句はないのですが、それでも中々行けず、いつの間にか行こうという選択肢すら自分の中からなくなっていました。

ここで自分にとってのゲームセンターは、ガンダムを遊びに行く場所である以上に、誰かと集まって同じゲームで遊ぶ場所だったことに気づきました。名前も知らなければどんな仕事をしているのかも知らないけれど、ゲームセンターに行けば会うことができる人たち。そんな人たちとでなければできない体験が間違いなくあったのです。

SNS等を活用して新たに仲間を作ればいいだけと言われればそれまでですが、月1も行くか行かないかの人間ではそれも難しい。昔の仲間を誘おうにも予定を合わせて同じゲームセンターに集まる必要がありますし、当時通っていたゲームセンターは閉店して久しく、新型コロナ禍の最中に他の心当たりも無くなってしまいました。

また、仕事や家庭の事情があるため昔のように一日中ゲームセンターにいるなんて不可能。もう間違いなく、筆者はゲームセンターから去るべき人種なのでしょう。

■オンライン対戦をするなら家のほうがいい環境なのではないか

昨今ではゲームセンターもオンライン対戦に対応しており、隣や対面に座っている人と同じ空間にいても、同じ対戦を共有してはいません。筆者はという前置きはするのですが、オンライン対戦に対応してから、同じゲームセンターで同じタイトルを遊んでいる人と話をした覚えが殆どないのです(※といいますか、ほとんど人が居ないか叫んだり台を叩いたりの狼藉を働く人ばかりなので近寄りがたい)。

もちろんたまたまマッチングするケースはあるでしょう。筆者が遊んでいる「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 オーバーブースト」でも、オンライン対戦で同じ人と何度もマッチングすることがあるくらいなので。

ですがオンライン対戦ならば、レバーとボタンで操作するオーソドックスなビデオゲームは大半が家で遊べてしまいます。それこそ「リアルアーケードPro.」や「Qanba」などアーケード用のコントローラーは市販されていますし、インターネット環境や配信・録画環境も自分で揃えることができるのです。

コントローラーに関してはパッドで遊べるゲームもあるとはいえ、自前で持っていくか備え付けのもので我慢するしかありません。動画配信は店側が機材を設置しているか自分で機材を持っていき許可を取る必要があり、録画だってそれ用の機材を使っている他のプレイヤーが居たら順番待ちになってしまいます。

しかも家で遊ぶゲームならば、仲間と予定を合わせて交通費を使いゲームセンターに集まる必要がない。実際に顔を合わせることは不可能ですが、Discordなどを活用すればワイワイ話しながら同じゲームを楽しむこと自体はできてしまう。ゲームセンターに行きたくても中々通えない人間にとって、これほどありがたいことはありません。

また、これまでは気にならなかったのですが、あの背もたれのない椅子は30歳を越えるとさすがに辛い。あれに何時間も座って同じゲームをずっと遊べるのは、凄いことなのだと今更ながらに実感しているところです。あそこはきっと、あの椅子に座り続けて遊べる若い子がメインターゲットなのです。年寄りはゲームセンターよりも家で遊んだほうが、快適だと思うのも無理はないでしょう。

■そして自分自身の衰え

ゲームセンターといえば1回遊ぶのに100円がかかる場所です。負ければそこで終わりですが、勝てば長時間遊ぶことができます。その100円の価値を高めるべく誰でも勝ちたいと思うものですが、そうやって熱くなることに疲れてしまったのかもしれません。

年齢を重ねて忙しくなったことからゲームを練習する時間が取れなくなっているのもそうですが、そもそも対戦回数すら重ねられなくなり、昔はそこそこ勝てていても今となっては散々な勝率。弱いやつは生きていけないのがゲームセンターという場所ですから、ロートルとして消え去るべき時がきたのでしょう。

実際に対戦していても、明らかに反応速度で勝てていないことが自分でもわかるプレイが出ているので、そういうプレイをするたびに肉体的にだけでなく精神的にも辛くなります。やはり人間は辛いことを長くは続けられないので、ここらが引き時。たまに昔の仲間と遊ぶくらいにして、通い詰めるというのはもう控えたいと思います。

以上、自分が最近ゲームセンターに行かなくなった理由を考察してみました。今まさにゲームセンターで楽しく遊んでいる方からすると、想像できず不快に思う部分があったかもしれません。ですが筆者自身もゲームセンターは大好きな場所のままなので、あまり行けなくとも何とか頑張って存続してくれたら嬉しいと思っています。

(C)創通・サンライズ (C)創通・サンライズ・MBS


© 株式会社イクセル