2024年は辰年!「ドラゴンのエンブレム」を持つ5つのチーム

年が明けて2024年となった。今年の干支は辰で、つまり竜(龍)となる。

そこで、この空想上の生物をデザインしたサッカー界のエンブレムをご紹介しよう。

なお、竜と龍ではイメージが異なり少々ややこしいので(竜は西洋的で龍は東洋的など)、ここでは「ドラゴン」で表記を統一する。

全南ドラゴンズ

全南ドラゴンズ 2021 Puma ホーム(黄色) アウェイ ユニフォーム

韓国の全南ドラゴンズ(チョンナム・ドラゴンズ)は、クラブ名の通りにドラゴンの頭部をデザイン。ただ、このエンブレムは2021シーズンまでのもので、2022シーズンからはドラゴンらしさが感じられないデザインに変わってしまっている。

以前のエンブレムは紫がメインだったが、近年ではキットカラーの黄黒に染めたエンブレムを使うことが多かった。そして2022年からの新エンブレムでは正式に黄黒へと変更している。

クラブは1994年に創設され韓国南部の光陽市がホームタウン。クラブ名は一般公募で決定したが、ドラゴンに地域との関係性は無いようだ。

ウェールズ

ウェールズ代表 2022 adidas ホーム ユニフォーム

ウェールズ代表のエンブレムは1951年に初登場以来、赤いドラゴンをデザインに使い続けている。ドラゴンはウェールズ国旗に描かれている国のシンボルだ。

国としてのウェールズと赤いドラゴンの関係は中世時代の伝説・伝承にまつわる内容で、一本の映画が作れそうなほど壮大なストーリーが背景にある。とても数行では説明しきれないため詳細は割愛するが、赤いドラゴンは国の象徴として重要な存在となっている。

現在のエンブレムは2019年にリブランディングの一環として作られたもので、ロンドンのデザイン会社が作成。中心にドラゴンを置くスタイルに変更はないが、図柄はより単純で流行のアイコン化と言えるものだ。

カーライル・ユナイテッド

カーライル・ユナイテッド 2023-24 Umbro ホーム ユニフォーム

2023-24シーズンはリーグ1(3部リーグ相当)を戦うイングランドのカーライル・ユナイテッド。現在も使用中のクラシックなエンブレムには2体の赤いドラゴンが描かれている。

ウェールズのクラブでもないのに赤いドラゴンとは珍しいが、これはホームタウンであるカーライルの街の紋章によく似ている。カーライルの地にはその昔、ウェールズ語を話す人々が定住していたという。そんな歴史が紋章デザインに影響を与えているようだ。

イングランドの下部リーグのチームにはカーライルのように、エンブレムと街の紋章がほぼ同じデザインというケースは珍しくない。それらのチームの中には、デザインの“使用料”を街や権利者に支払うケースも存在するという。

デン・ボス

デン・ボス 2023-24 Robey ホーム ユニフォーム

オランダ南部の街デン・ボスをホームタウンとするクラブ。1980年代の初代胸スポンサーは日本企業「Panasonic」だったクラブだ。このチームが現在付けているエンブレムは、軽やかなタッチでドラゴンを描く。

街は湿地帯(沼地)の森林に囲まれた地域で、そんな地の利を生かして中世の時代には高い壁で城塞都市を築き上げた。これには諸外国の敵対勢力も攻略することが出来なかったといい、その難攻不落ぶりから城塞や街は「沼地のドラゴン」と呼ばれるようになったという。

デン・ボスは1965年創設だがエンブレムにドラゴンを使い始めたのは1998年からで、それ以前は様々なデザインを使用していた。変更理由は定かではないようだが、「沼地のドラゴン」がその理由だろうと目されている。

香港

香港代表 2022 Nike ホーム ユニフォーム

代表チームでドラゴンのエンブレムというとウェールズが有名だが、香港もまたマニアックなユニフォームファンや小国好きの間では有名な存在。

エンブレムを「前のデザインに戻してほしい」9つのチーム

協会名の略称“HKFA”に重ねるように描かれているドラゴンは、四つの爪を持つ「四爪龍」。中国では貴族の象徴とされていた高位の存在だ(最高位は皇帝の象徴だった五爪龍)。この「四爪龍」は英国統治下時代の香港の紋章にも描かれていた。

代表チームのエンブレムは、一時期使われていた“バウヒニアの花”を描く香港旗モチーフを除き、少なくとも80年代からドラゴンが使われている。

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