障がいを持つ兄弟の絆 「病気について多くの人に知ってほしい」父親の思いに迫る

兄弟で助け合ったり励まし合ったりしている姿を見ると、親としては頼もしく、嬉しく思うものですよね。

障害児パパ子育て(@masa19870418)さんは、3人兄弟のお父さんです。次男の侑万(ゆま)さんはダウン症、三男の友波(ゆは)さんは小児交互性片麻痺という障がいをもっています。

@masa19870418さんはInstagramで3人の子育てや友波さんの障がいについて発信しています。

今回Instagram上に投稿したのは、発作の起きた友波さんに寄り添う侑万さんの様子です。

弟に寄り添う兄の姿

発作が起きた友波さんに寄り添う侑万さん。テレビが気になりつつも、優しく手を添えて励まします。

ゆはさんに寄り添うゆまさん(@masa19870418さんより提供)

「大丈夫だよ」と、友波さんの顔を覗き込みながら励ます侑万さんは、頼もしいお兄さんですね。

励ますゆまさん(@masa19870418さんより提供)

このときの様子や2人の関係性などについて、@masa19870418さんに話を聞きました。

小児交互性片麻痺とは

ー友波さんの”小児交互性片麻痺”とはどのような疾患なのでしょうか?
乳児期から幼児期に発症する一過性の麻痺症状です。麻痺症状は片側に起こり、反対側へ移ったり、全身に症状が出ます。また他にも眼振や硬直、脱力に痙攣もありますが、その時によって出る症状に違いがあります。医師にもあまり認知されていないようで、友波も診断が出るまで時間がかかりました。また症例も少ないためなのか、発症原因は不明で治療法も確立されていません。

2人の関係性

ー侑万さんと友波さんの関係について教えてください。
侑万と友波は我が家の次男と三男で、特別支援学校の小学部5年生と3年生です。侑万は面倒見が良く、友達や小さい子などのお世話をしたりします。逆に友波は自我が強めで構ってほしいタイプなので、2人の相性は良いのかもしれません。

仲良く遊ぶ2人(@masa19870418さんより提供)

ー友波さんの発作はよくあることなのでしょうか?また、そのとき侑万さんはいつも寄り添ってくれているのですか?
友波の発作の頻度はまちまちですが、少ない時は1週間に1、2回くらいです。多い時は1週間ほぼ毎日あります。侑万はいつもではありませんが、寄り添ってくれることはよくあって、声掛けもしてくれます。

ー侑万さんの”お兄さんとしての意識”はいつごろからどのように芽生え始めましたか?
兄としてなのかはわかりませんが、友波が産まれた時からとても可愛がっていました。
侑万自身が長男にたくさん可愛がってもらっていたので、同じように友波にしてあげたかったのかもしれません。長男に感謝ですね!

ー侑万さんがお兄さんであることで助けられていることはありますか?
侑万は何でもやりたがる性格なので、食事や洗濯、掃除などお手伝いや友波がぐずっていた時に構ってくれます。これも長男の影響があるかもしれません。
長男もお風呂掃除やお皿洗いなど、いろいろなお手伝いをしてくれていました。もしかしたら父の背中ではなく、兄の背中を見て育ったのかも…。

多くの人に知ってもらいたい

ーmasa19870418さんは障がい児の子育てについて発信していますが、どういった思いで発信をはじめたのでしょうか?
最初は大した理由もなく、ただなんとなく始めました。それから段々とうちの子たちを知ってもらおう、うちの子たちを見て少しでも明るい気持ちになってもらえたら良いな、と思って続けています。
あとは友波の障がいである”小児交互性片麻痺”は、まだ医師にもあまり知られていないので、1人でも多くの方に知ってもらえるようにです。

ーmasa19870418さんが2人を育てるうえで大変なことを教えてください。
2人とも知的が年齢以下なので、ひとつのことをするのに時間がかかったり、同じことの繰り返しが辛いですね。友波に関しては体の成長もかなり遅いので、今後どうなるんだろう?っていう不安もあります。

ーmasa19870418さんがお子さんを育てるうえで大切にしていることを教えてください。
どうしても健常者と比べるとできないことが多いので、できないだろうと決めつけるのではなく、やりたいという気持ちをなるべく尊重して、できることはやらせてできないことは一緒にやったりといろいろ経験させたいと思っています。

元気をあげられる人に

ーmasa19870418さんは侑万さんと友波さんにどのような人になってほしいと思いますか?
明るく笑顔で、皆に元気をあげられる人になってほしいです。

ー投稿では侑万さんに対し、「かっこいい」「素敵」というコメントが寄せられていますが、どのように思いますか?
とても嬉しいです。侑万の良いところをたくさんの方に見ていただけることができてよかったです。

ー活動を通してどのような人にどのようなことを伝えていきたいですか?
障がい児を育てるってやっぱり大変だと思います。健常児の子育ても大変だと思いますが、それ以上に気遣ったりやることも増えるし、悩むことも多いです。
周りの人の軽率な言葉で心を痛めたりすることもあると思います。そんな時に我が家のことを見てもらって「ちゃんとここに仲間がいるよ!」「一人じゃないよ!」「一緒に楽しもうよ!」って伝えたいですね。

侑万さんと友波さんの姿を見て、励まされたという人も多いのではないでしょうか。子育ては大変なことも多いですが、同じように頑張っている人がいると思うと頑張れますよね。

ほ・とせなNEWS編集部

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