納豆の消費量が全国トップレベルの盛岡市で、唯一の製造・販売を手がける大内商店が31日、販売を終えた。「育つ子に納豆選ぶ母の愛」―。創業当時から70年以上続く、独自の赤い看板商品パッケージが市民の粘り強い人気を集めてきた。3代目社長の大内靖雄さん(51)は「暮らしを支えてくれた納豆に、ありがとうと伝えたい」と万感を込める。
最盛期に10人ほどの従業員がいた大内商店は近年、大内さんと母鈴子さん(75)、妻エミ子さん(52)の3人で切り盛り。大豆価格の高騰や設備の老朽化などで経営が苦しくなったほか、2023年12月、鈴子さんの病気が判明し、店を畳むことを決断した。