『ゴルゴ13』幻の“初アニメ化作”が配信開始 半世紀以上前の現存フィルムを発見、修復を経て全40話公開

『1968年から小学館「ビッグコミック」で連載され、幅広い世代から支持されている劇画『ゴルゴ 13』より、シリーズ初として制作されたアニメ作品全40話の配信が順次始まった。

【画像】「全40話、130缶のフィルムが倉庫に眠っていた」発見当時のフィルム缶の実物

この度配信が始まったのは、その存在が不明だったことからファンたちの間で“幻”と称された『ゴルゴ13』シリーズ初のアニメーション作品。連載55周年を迎えた昨年(2023年)、『ゴルゴ13セレクション』(BS-TBS)として全10作品が52年の時を経て放送され注目を集めており、こうした要望に応える形で、全40話が随時配信されることが決定した。

アニメ原版は1971年にTBS(東京放送)で放送されたもので、劇画に手作業で色彩を施しフィルムで撮影する“スチールアニメーション”という手法で制作され、連載劇画に近い世界観を味わうことができる。当時30代だった原作者の故さいとう・たかを氏の作画に対する熱い意欲を感じとることができる作品として、東西冷戦の真っただ中に誕生した超一流のスナイパー「ゴルゴ13」の原点を感じられるアニメに仕上がっている。

制作から50年以上が経過していた作品として長らく陽の目を浴びることがなかったものの、この度全40話・130缶ものフィルムが発見。フィルム自体は自壊していない形で発見されたものの、汚れも多く、接合編集の部分が度々切れることもあったことから、半年以上を費やし修復を実施。遂にデジタル・リマスター化を果たした。

全40話、130缶のフィルムが倉庫に眠っていた

全40話配信決定に、故さいとう・たかを氏の妻でさいとう・プロダクション齊藤輝子社長はコメントとして「先生の劇画作品を元にアニメーション化した昔のフィルムがTBSスパークルの倉庫で見つかったとの連絡を受け、拝見した所、今となっては古い技法のアニメーションですが、逆に新鮮さをおぼえました。この作品をご覧になり、先生の劇画作品に多くの方が触れて頂き何かを感じて頂けましたら幸いです。」と経緯を語った。

昭和を彩る豪華な声優陣、ナレーター、音楽も注目だ。「ゴルゴ 13」の声は映画やドラマで出役としても活躍した新田昌玄が担当。ナレーションはFM東京『ジェットストリーム』でおなじみの城達也。音楽は1971年にアニメ『ルパン三世』(第1作)の劇伴も担当した山下毅雄が担当している。

第1弾はすでに2023年12月29日より配信を開始しており、初回は「第02話 南仏海岸_Part1~3」、「第03話 バラと狼の倒錯_Part1~5」、「第07話 ビッグセイフ作戦_Part1~5」など全10話がラインナップ。以降残り3回を毎月末に更新予定で、Amazon Prime Video、dアニメストア、DMM TV、U-NEXT、Google Playなどでの配信となる。

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