今秋 長崎で地球市民フェス 数万人規模、スタジアムシティ会場に 音楽ライブや飲食ブースも

ワーキンググループで話し合う(右から)朝長委員長、林田さんら=2023年12月11日、長崎市松山町、ヒバクシャ・コミュニティ・センター

 非政府組織(NGO)核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会(朝長万左男委員長)は、10月に開業する長崎スタジアムシティ(長崎県長崎市幸町)を会場に、6年ぶり7回目の「核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキ」を今秋開く方向で調整していることを31日までに明らかにした。家族連れや若年層が気軽に足を運べるよう音楽ライブや展示・飲食ブースも取り入れ、2日間の日程で延べ数万人規模の参加を目指す。
 国内外のNGOが集う国際会議形式が主体の同集会は2000年、被爆者で元長崎大学長の故土山秀夫さんらが運営母体を発足させ、県や市などが合流する形で実行委が誕生。同年に第1回集会を開き、イラク戦争が起きた03年の第2回集会には過去最多の延べ6800人が参加した。
 行政やNGO、市民が立場を超え、地球市民という視点から核兵器や平和の問題を考える活動を続けてきたが、近年は被爆者ら中心メンバーが50~80代となり、参加者もピーク時の半数程度にとどまる。
 そこで長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)特任研究員の林田光弘さん(31)が実行委に加わり、昨年6月からワーキンググループで検討。同集会の理念は残しつつ、幅広い層の市民が参加できる「地球市民フェス(仮)」と位置付け、準備を進めている。
 スタジアムシティのアリーナで音楽ライブなどのイベントを、ホテルでは被爆体験の継承や核軍縮、気候変動といったテーマでのトークセッションを開く方向で調整中。今月から展示・飲食ブースへの出展や協賛協力を企業・団体に呼びかけ、3月末をめどに開催概要をまとめたい考え。
 林田さんは「被爆者なき時代を見据え、それぞれの立場で平和への思いを表現し、被爆地長崎全体で平和の文化を醸成する空気をつくることが必要。その動きを可視化するような平和の祭典になれば」と話した。

© 株式会社長崎新聞社