「長い横揺れ」「まさか」...帰省中に地震見舞われた鹿沼・小村さん 被害の深刻さ実感

地震で亀裂が入った道路=1日午後、石川県七尾市(小村さん提供)

 栃木県鹿沼市の地域おこし協力隊小村(こむら)あづささん(41)=鹿沼市府中町=は石川県へ帰省中、能登半島地震に見舞われた。「大きく長い横揺れだった」。地震から一夜明けた2日、下野新聞社の取材に応じ、当時を振り返った。親族や友人の無事は確認できたものの、時間がたつにつれて明らかになる大震災の被害を前に「まさか元日にこんなことになるなんて」と声を詰まらせた。

 同県小松市出身の小村さんは地震発生の1日午後4時過ぎ、震度5弱を観測した同県白山市の友人宅にいた。スマートフォンの緊急地震速報が鳴り響いた直後、大きな横揺れが襲ったという。「(栃木県内で経験した)東日本大震災を思い出した」と振り返る。

 机の下に入って身を守った。「体感的に長く感じた」という揺れが収まった後は、泣きやまない友人の子どもをあやして過ごした。

 直前までは、友人の子どもたちを連れてスキーを楽しんでいた。「お正月で、みんな無防備だったと思う。地震が起こるとは想像もしなかった」と語った。

 友人宅や実家は、棚の物が落ちる程度で大きな被害は免れた。しかし震度6強を観測した同県七尾市の友人から送られてきた、倒壊した建物や亀裂の入った道路の写真を目にし、改めて被害の深刻さを実感したという。

地震で倒壊した建物=1日午後、石川県七尾市(小村さん提供)

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