スター候補生インタビュー(3) 野球 川上理偉(大分Bーリングス)「もう勝負は始まっている」 【大分県】

プロ野球ドラフト会議で中日ドラゴンズに育成4位で指名された大分Bーリングスの川上理偉。独立野球のヤマエグループ九州アジアリーグで3年目となった昨季は、「今季で結果を残さなければ(野球を)辞めるつもりだった」という覚悟で望んだシーズンだった。勝負強いバッティングでリーグ打点王となり、守備力と肩の強さを評価され、球団初となる日本野球機構(NPB)への入団選手となった。「この3年間が間違いでなかったことが証明できた」と振り返った。

Q:間もなくNPBの選手として新たなステージに進みます。今の心境は?

本契約を終え、入団会見などでユニフォームを着たときに、いよいよスタートすると実感が湧きました。8日に入寮するので、それまで大分で体づくりをしています。僕は育成枠なので初日から100%の力を発揮してアピールしたい。もう勝負は始まっていると思っています。

Q:チームの印象は?

若い選手が多く、僕と同級生ぐらいの選手が主力としてプレーしています。1日でも早く支配下選手になり、肩を並べたいという思いは強いです。

Q:NPBはいつから意識しましたか?

大分高校を卒業して、専門学校(宮崎福祉医療カレッジ)を卒業したときから思いは強くなりました。おととしの(NPBの教育リーグ)フェニックスリーグに参加したときにNPBの2軍の選手と試合をして、もう少しレベルアップをすれば通用すると確信しました。3年目のシーズンは手応えがありました。スカウトの方にはBーリングスに入団して2年目から見てもらっていたのですが、昨年は特に守備で高い評価をしてもらいました。

守備が高く評価された

Q:理想の選手像は?

子どもの頃からずっと今宮健太選手(福岡ソフトバンクホークス)に憧れ、目指してきたので、もっと近づきたいです。守備範囲の広さ、スローイングの強さ、ヒット性の当たりを簡単にアウトにする技術。ピッチャーを助ける守備は本当にすごいと思います。

Q:Bーリングスでの3年間で成長できた部分は?

1年目は楽しく、がむしゃらに野球をやって、2年目は苦しさに変わり、3年目はそれを乗り越えて心が強くなりました。特に昨年は内川聖一さんとチームメートになり、バッティングの概念が変わりました。具体的には、試合を想定したバッティング練習をしていて、自分も取り入れるようになって結果が出ました。「基本はセンター返し、その延長にホームランがある」と言われ、バットコントロールを意識するようになりました。

Q:Bーリングスに入団してよかったと思うことは?

スカウトの方々が試合を見にくる機会が多く、試合数も多いのでアピールできるチャンスがある、そこが一番の魅力です。何か一つでも秀でるものを磨けばチャンスはある。僕は回り道をしたとは思っていないけど、若ければ若い人ほどBーリングスにはチャンスがある。野球だけに専念できる環境もあるし、指導陣がNPB出身者なので、正解を知っているし、ヒントを多くもらえるのは大きいと思います。

Q:では最後に、2024年はどんな年にしたいですか?

まずは支配下になって、1試合でも出ること。それに尽きます。

「1年目から勝負の年になる」と語った

(柚野真也)

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