能登半島地震、死者64人に 全容見えず、安否確認続く

大規模火災で焼け落ちた石川県輪島市の「輪島朝市」付近=2日午後0時11分

 石川県などは3日、能登半島を震源とし同県志賀町で震度7を観測した能登半島地震の死者が64人になったと明らかにした。多数の建物が倒壊し生き埋めの情報があるものの、道路が寸断され救助活動は難航している。発生3日目でも被害全容は見えず、各自治体は住民の安否確認を続行。4日にかけ断続的に雨が降るとして、気象庁は土砂災害に警戒を呼びかけている。

 損傷した道路が多く、県の3日午前の集計では七尾市、穴水町、能登町で計約60人が孤立。被害が大きい珠洲市や輪島市は調査中としている。

 各自治体は十分な支援物資の供給を政府や県に求めており、自衛隊ヘリコプターを活用した物資と人員の搬送などが進む見込み。陸路での物資搬送も進められている。珠洲市や能登町の沿岸部は津波でも住宅が被害に遭ったとみられ、人的被害が膨らむ可能性がある。

 1日の震度7はマグニチュード(M)7.6で、能登地方で観測した地震としては記録が残る1885年以降で最大。3日も震度5強を観測するなど、断続的に地震が続いた。

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