犬が『ため息』をつくのはなぜ?4つの心理とケアが必要なときにすべき対処法とは

犬が「ため息」をつく理由

犬が寝そべっている最中に大きく息を吸い、ふーっとため息のような呼吸をすると、飼い主側としては何かストレスがあるのか、不満があるのかと心配になります。

犬はいったいどのような時にこの「ため息」をつくのでしょうか。

1.緊張をほぐしたい

人は緊張すると、深呼吸をして気分を落ち着かせようとします。深呼吸やため息のような大きく深い呼吸は、副交感神経を活発化し、緊張をほぐしてリラックスさせる効果があります。

犬も同様に、何らかの理由で緊張していると、意識的、あるいは無意識的に大きく息を吐いて副交感神経を活発化させようとしているのでしょう。

ため息を吐くときの犬を観察していると、眠ろうとしているときやベッドで横になった時などに行っていることが多いことが分かります。「よし、寝るぞ」という気持ちで自分の緊張をほぐしているのかもしれません。

2.リラックス・満足している

人間も温泉などに入った際、大きく息を吐いてしまうことはないでしょうか。あるいは、おいしいものを食べた後、たくさん遊んで満足した時など、大きく息を吸ってふーっとお腹の底から息を吐くことがありますよね。

犬も同様に、楽しかった、満足した、お腹いっぱいといった際にため息を吐くことがあるようです。側に座ったり寝転んだりして、「ふーっ」と一息ついた場合はこれに当てはまるでしょう。

3.ストレスを感じている

こちらは、先程の緊張をほぐそうとしてるため息に似ています。ストレスや不満がたまっていくと、犬は長く緊張状態に晒されます。その緊張をなんとか別の形で発散させようという行動のひとつです。

ため息のほか、大あくびをする、体の一部をぶるぶるっと震わせる、しきりに体を掻く、舐めるというような行動が見られる場合は、大きなストレスを受けている可能性が高いです。そのため、そのストレス源を取り除いてあげましょう。

4.体調が悪い

犬に元気がなく、ため息が目立つようであれば、体調不良の可能性があります。

犬の体でどこかが痛いとき、または具合が悪いときは、ため息のほかに、体を丸めて寝ていたり食欲が落ちたりするほか、下痢、嘔吐、鼻水、呼吸困難などの症状が見られます。このような症状が見られないか、愛犬をよく観察してあげてください。

「ため息」に似た呼吸をしやすい病気

犬は病気によっても、ため息に似た呼吸をする場合があります。似た呼吸になりやすい病気は、鼻腔狭窄、気管狭窄というような呼吸器に関係するものとうつ病などです。

鼻腔狭窄の場合、鼻腔という鼻から喉に繋がる管が何らかの原因で狭く詰まってしまうことから、呼吸困難が起こります。鼻づまりの異音のほか、鼻水の症状が目立つので気になる症状があるようでしたら動物病院へ相談しましょう。

気管狭窄とは文字通り、気管や気管支などが狭くなったり詰まったりする病気です。炎症で狭くなることがあるほか、異物が入り込むことで詰まってしまう場合もあります。夜間にため息や呼吸の乱れがあるようならこちらの病気の可能性が考えられますので動物病院へ行きましょう。

目に力がない、無気力、体の一部を舐め続けるなど、同じ行動を繰り返すゆおうな症状があるようでしたら、うつ病などの精神的な病気の可能性があります。こちらも動物病院へ相談をしてください。

まとめ

犬の「ため息」にはリラックスを誘う効果があるほか、満足感を表現したり、不満を表現したりと、様々な理由があるようです。

愛犬が「ため息」をついたら、そのため息だけで判断せず、犬の表情や他の仕草などをよく観察することをおすすめします。

もし不安要素やストレスがあるようでしたら、すみやかに対処してあげたいものですね。

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